WRC:トヨタ、ラッピが5位完走、ランキングも5位に。マキネン「彼の努力が報われた」

 WRC世界ラリー選手権第6戦ポルトガルは5月20日、デイ4のSS16~20が行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTはエサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)が陣営最上位の総合5位入賞を果たした。僚友のヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)は前日の総合31番手からポジションを8つ上げ、総合24位でフィニッシュしている。

 2018年シーズンにおけるヨーロッパ初のグラベル(未舗装路)ラウンドとして行われているラリー・ポルトガル。最終日を前に、総合4番手と11秒差に迫ったラッピは、さらにその先の表彰台圏内を目指して好スタートを切っていった。

 デイ4で行われる5本のSSのうち、最初ステージとなるSS16でトップタイムをマークしたラッピは、ヒュンダイのダニ・ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC)を逆転して総合4番手に浮上する。続くSS17はソルドに次ぐ3番手に留まり再逆転を許すが、SS18、19では2番手タイムを続け再度総合4番手に。

 総合3番手につけるテーム・スニネン(フォード・フィエスタWRC)と約10秒差で迎えた最終パワーステージは、圧巻の走りで全体トップタイムをマーク。惜しくも7.4秒及ばず表彰台は逃したものの、4位入賞の12ポイントとボーナスの5ポイント、合計17ポイントを獲得してみせた。

 しかし、競技終了後、金曜のデイ2最後に行われたSS9での走行でコース上の障害物を移動させたとして、リザルトに10秒が加算されるペナルティを受けることに。これよってラッピの順位は総合5位に降格することとなったが、ドライバーズランキングでは7位から5位に浮上している。

 また、サスペンションの破損によってデイ2でデイリタイアを喫し、デイ3から戦列に復帰したラトバラも前日にみせたスピードを継続。この日も、SS18でのトップタイムを含むトップ5フィニッシュ3回をマークするなど速さをみせ、最終的に総合24位まで順位を上げてラリーを終えた。

 TOYOTA GAZOO Racing WRTのトミ・マキネン代表は「ポジティブにラリー・ポルトガルを締めくくることができてうれしく思う」と今大会を総括する。

「もちろん、金曜日はチーム全員にとって残念なスタートになってしまったが、その後ヤリ-マティ(・ラトバラ)は復活し、デイ3からの2日間をミスなく走りきっている」

「エサペッカ(・ラッピ)はポディウム争いに加わり、テーム・スニネンとの戦いは実に素晴らしかったと思う。ふたりの若きフィンランド人による激しいバトルは本当に見応えがあったよ!」

「結果的に競り勝つことはできなかったが、パワーステージを制して5ポイントを獲得するなど、2日間に渡るエサペッカの懸命の努力は報われたと言えるだろう。我々は今回のラリーから多くを学び、次回はさらに力強い戦いをしたいと考えている」

 金曜から孤軍奮闘を続けたラッピは「今日も最初から最後まで全開で走り続けたが、最後までスニネンに追いつくことはできなかった。本当にタフな戦いだったけど、彼はポディウムフィニッシュに相応しい素晴らしい走りをしたと思う」と同郷のライバルに賛辞を贈った。

 再出走後の2日間はミスなく走ることができたというラトバラは「今日のステージは以前よりも難易度が増しており、次戦サルディニアに向けてクルマのセットアップを学ぶことができたのは収穫だった」と語り、「おかげで、とても前向きな気持ちで次戦に臨むことができるよ」と続けた。

 WRC次戦第7戦イタリアは6月7~10日、地中海に浮かぶイタリア・サルディニア島が戦いの舞台となる。2017年大会ではタナクがWRC初優勝を飾り、ラトバラが2位を獲得している。

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