出島表門橋に「田中賞」 「優れた橋」土木学会 長崎県内7件目

 長崎県長崎市出島町の国史跡「出島和蘭商館跡」と対岸を結ぶ「出島表門橋」が、公益社団法人土木学会(東京)が国内外の優れた橋に贈る2017年度の「田中賞」作品部門に選ばれた。「歴史的景観に調和する現代的な橋」と評価された。県内では06年度に受賞した新西海橋(西海市-佐世保市)に続き7件目。
 田中賞は、東京・隅田川に架かる永代橋などを手掛けた橋梁(きょうりょう)界の権威、故田中豊氏の功績をたたえ、同学会が1966年度に創設。研究業績、論文、作品の3部門で構成し、2017年度は作品部門に7件が選ばれた。県内では1976年度に平戸大橋(平戸市)が初選出された。
 出島表門橋は全長38・5メートル、幅4・4メートル。旧出島橋が撤去されて以来約130年ぶりに架橋した出島のシンボルとして、昨年11月24日に供用が始まった。同学会によると、出島側に基礎を設けず重量の支点を対岸の江戸町側に置いた特殊な構造に加え、出島の景観に調和するデザイン面なども評価された。
 市出島復元整備室は「田中賞を機に表門橋が再注目されれば」としている。授賞式は来月8日に東京で開かれる。

田中賞の作品部門に選ばれた出島表門橋(長崎市提供)

© 株式会社長崎新聞社