平戸藩主の収集品を展示 平戸オランダ商館、6月18日まで

 江戸時代後期の平戸藩主、松浦静山(まつらせいざん)(1760~1841年)の収集品を展示する「殿さまのマニアックなコレクション展 図書・絵画編」が長崎県平戸市大久保町の平戸オランダ商館で開かれている。6月18日まで。
 江戸時代、平戸城の一角にあった文庫「楽歳堂(らくさいどう)」には図書や資料など計約1万7千点が収蔵。今回は同市の松浦史料博物館が現在所蔵する初公開13点を含む計50点を展示する。
 会場には、知人の秋田新田藩主から借用し書き写した長さ約13メートルの絵図「秋田道中絵図」や、城内で使われた印鑑を静山が編さんした「平戸印譜」も並ぶ。博物館の久家孝史学芸員(50)によると、藩主自ら城内で使う印判を整理した書物が残るのは珍しいという。
 壱岐で出土した土器を多面的な角度で自ら図録にした「考書余録」や平戸に住む娘たちに静山が贈ったとされる多色刷りの紙細工「立版古(たてばんこ)」なども展示する。
 久家学芸員は「気軽に訪れ、江戸時代の様子を体感してほしい」と話した。平戸オランダ商館の入館料は大人300円、小中高生200円。開館時間は午前8時半~午後5時半。

展示品に見入る来場者=平戸オランダ商館
平戸城内の役所で用いられた印鑑を静山自身が編さんした「平戸印譜」

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