被爆者らの証言まとめ朗読劇 長崎南山高の生徒会も賛助出演 6月8日、チトセピアホール

 大阪府を拠点に活動する朗読グループ「このゆびとまれ」(岸部明美代表)の公演「祈りはときをこえて」が6月8日午後6時半から、長崎県長崎市千歳町のチトセピアホールで開かれる。今回は初めて、長崎南山高の生徒会が賛助出演。原爆投下から現在までの被爆者らの証言などをまとめたシナリオを使った朗読劇「痕跡(きずあと)をのこして」を上演する。
 シナリオを手掛けたのは大阪市の朗読講師でグループ副代表の林逸美さん。二十数年前、長崎の被爆者運動をリードした故山口仙二さんとの出会いがきっかけとなり、複数の被爆者から体験を聞き取ったことが基になっている。
 賛助出演は、若い世代にも被爆者らの声に耳を傾けてほしいと、林さんが今年、同校に出演を依頼。生徒会の21人が朗読に挑戦することになった。市役所で会見した岸部代表は「核廃絶の願いが、大阪と長崎という距離や世代を超えて強くなることを確信している」、2年で生徒会副会長の大槻真稔(まさとし)さん(16)は「被爆者の言葉や思いを、若い人にも伝えたい」とそれぞれ話した。
 このゆびとまれは2001年、林さんの朗読教室の生徒有志で結成。各地で、平和を訴える朗読劇などの上演をしている。
 長崎公演は05年以来、2度目。入場料は一般千円、学生は無料。問い合わせは岸部代表(電090・5160・0875)。

公演に参加する長崎南山高の生徒ら=長崎市役所

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