患者の情報 ネットで共有 遠隔診療の現状説明も 研究会で医療関係者ら

 長崎県内の医療関係者がインターネット上で患者の診療情報を共有する「あじさいネット」の研究会が19日、長崎市茂里町の県医師会館であり、医師らが同システムを活用した取り組みの現状や課題を発表した。
 あじさいネットは県内34病院の診療内容を、病院や診療所、薬局など337施設が患者の同意を得た上で検査結果や治療内容を共有、閲覧するシステム。2004年に運用が始まった。
 研究会は、運営するNPO法人長崎地域医療連携ネットワークシステム協議会(小尾重厚会長)が開き、県内外の医療関係者約180人が参加した。
 研究発表では、5人の医療関係者が登壇し、井上病院(長崎市宝町)の吉嶺裕之副院長は、あじさいネットのテレビ会議を利用した遠隔診療について説明した。
 吉嶺副院長は「専門医は都市部に多いため、離島患者のアクセス向上が課題」と指摘。都市部の病院での検査結果を、離島のかかりつけ医とテレビ会議でつないで患者に説明することで「患者が往復する必要がなく、かかりつけ医も専門医の話を聞くことができる」とメリットを語った。

県内外の医療関係者約180人が参加した研究会=長崎市、県医師会館

© 株式会社長崎新聞社