鉄鋼輸出、4月9年ぶり低水準 15カ月連続減、高炉不調が影響

 財務省が21日に発表した4月の貿易統計(速報)によると、全鉄鋼ベースの輸出は前年同月比5・7%減の280万トンとなり、15カ月連続の前年割れだった。月間280万トン台は2009年6月以来、約9年ぶり。

 新日鉄住金やJFEスチールなどの生産余力が依然として限られる中、4月は一部製鉄所の高炉不調が響き、輸出向けを一段と減らす結果になった。

 地域別では、ASEAN向けが5・6%増の97万6千トンで4カ月ぶりに増加。中国向けは4・4%減の47万1千トンで6カ月連続、韓国向けが22・5%減の41万6千トンで2カ月ぶり、中東向けは39・2%減の5万1千トンで4カ月ぶりに減少した。

 通商拡大法232条が発動した米国向けは13・1%増の13万9千トンと、一部を除き米現地顧客から供給継続が要請されているため減らなかった。

 4月の全鉄鋼輸入は2・7%増の70万トンだった。うち韓国からは3・8%減の30万8千トンとなり4カ月連続で減少。中国からは18・8%増の12万2千トンで3カ月連続の増加となった。アセアンからは2・2倍の2万9千トンだった。

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