海底高圧電力ケーブル、古河電工が能力増強 市原工場(千葉県)で150億円投資

 古河電工は千葉県市原市の市原工場で150億円を投じて海底電力ケーブルの生産能力を増強する。国内外で期待される受注案件に高い信頼性で応える生産体制強化策の一環。ボトルネックになっている設備の増設・改造を進め、2020年度をめどに増産設備を稼働させたい考えだ。21日に都内で小林敬一社長が説明。事業の成長に向け「長尺の海底ケーブルを安定的に造れる技術や設備が重要」と話した。

 海底に敷設する高圧電力ケーブルは長尺での製造が重要で生産できるメーカーが比較的少ない。現在洋上風力発電など多数の新エネルギー案件が進行中で、中長期的に需要が拡大する見通し。同社では海底電力ケーブルで25年に国内シェア50%以上、アジアシェア30%以上を目指している。国内では現在複数の新エネルギー関連プロジェクトで150億円超の受注が有望視されているほか、アジアでは今後本格化が見込まれている新エネルギー関連の受注獲得を目指し営業活動を強化する。

 小林社長は「高まる需要を効率的に捕捉し将来の成長機会を確保するため、今回の投資は不可欠」としており長尺・大容量ケーブルの増強を決めた。生産設備に加えて、人員や研究開発も強化。同社は高圧電力ケーブルでアジアのメインプレーヤーを目指していく。

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