日立金属、FA・ロボット用電線増産 日・中・越で増強投資30億円

 日立金属は21日、FA・ロボット用電線の生産能力を増強すると発表した。日本・中国・ベトナムの拠点で合計約30億円を投資する。高生産性の伸線機や撚線機などを導入。併せてIoTを用いた製造設備の常時監視体制を構築し、品質を高水準で安定化するほか品質管理を自動化する。すでに一部設備は稼働しており、完成は20年度上期が目標。生産増強や新製品開発などの成長戦略で20年度にはFA・ロボット用電線事業の売上規模を16年度比3倍の100億円に拡大させる。

 近年世界的に工作機械や産業用ロボットの需要が急増。中でも産業用ロボット市場は20年まで年率約2割の成長が見込まれる。同社では耐屈曲性に優れるFA・ロボット用電線を手掛けており、安定した品質が高く評価され幅広く採用されている。日本国内だけでなく中国や東南アジアでも産業用ロボットの需要は旺盛で、電線をグローバルに供給できる体制への要望は強まっている。

 世界的にニーズが高まる中、同社ではFA・ロボット向け機器用電線を鉄道や医療などと並ぶ電線材料カンパニーの成長5分野の一つに位置付けている。事業強化に向けたグローバル成長戦略の一環として、茨城県日立市の茨城テクノスと中国江蘇省の日立電線(蘇州)、ベトナムハイズン省のヒタチ・ケーブル・ベトナムで能力を増強する。

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