富山熔断、ファイバーレーザ初導入 厚物加工ニーズに対応

能力2倍、品質向上

 富山熔断(本社・富山市高木)は稼働後約20年が経過した4KWCO2レーザの老朽更新として、同社初のファイバーレーザ切断機を導入。このほど本格稼働を開始した。

 機械・製缶向けなどの切板需要増や厚板の高精度加工ニーズの高まりに対応するため、長時間操業にも適したファイバーレーザを活用し納期短縮や品質向上を図ったもの。投資額は約1億円。

 導入したのは出力6KWファイバーレーザ切断機「FMRII30―TF6000」(日酸TANAKA製)。有効切断幅3100ミリ×長さ30メートル、切断可能板厚は最大32ミリで、印字マーキング機能を装備した。

 更新前は旧設備で主に19ミリまでの厚板を加工していたが、高出力・高精度を活かしてこれまでガス切断していた22ミリや25ミリ(SS400)など厚板領域のレーザ加工ニーズの捕捉を狙う。

 同社は富山鋼機グループ(代表・田畑正宏氏)の極厚板溶断会社で、産業機械のほか土木・建築など幅広いユーザーに対し月産700~750トンを手掛ける。主要設備はレーザ切断機5基、ガス溶断機5基など。

 今回は老朽更新のためレーザ保有台数は変わらないが、加工能力は既存機の2倍にアップするため、夜間の自動操業でリードタイム短縮を図るなどして月産80トンの増量を目指す方針だ。

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