世界でもほんの一握りのサッカー選手しか手にすることができないワールドカップのタイトル。
しかし、ファイナルという大舞台でチームを優勝に導く「決勝ゴール」を決めた選手は数えるほどしかいない。
そこで今回は、そうした特別な経験を持つ数名を振り返ることにしよう。
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マリオ・ゲッツェ(2014年)
チーム:ドイツ代表
決勝のカード:ドイツ代表 対 アルゼンチン代表(1-0)
準決勝では地元ブラジルを7-1で葬り去ったドイツ。それから一転、アルゼンチンとの決勝は1点を争う死闘となった。
迎えた延長後半、この大会でジョーカーとして起用されたマリオ・ゲッツェがヒーローに。
左からのクロスを胸トラップすると、倒れ込みながらボレー!これが決勝点となり、ドイツは6大会ぶりの優勝を掴みとった。
そして、リオネル・メッシのW杯制覇という夢を阻むことにも。
選出者:編集部I
アンドレス・イニエスタ(2010年)
チーム:スペイン代表
決勝のカード:スペイン代表 対 オランダ代表(1-0)
EURO2008を制覇したスペイン代表。
「他の地域で開催された大会では、欧州のチームは優勝できない」というジンクスを破り、南アフリカでのワールドカップを制覇。「無敵艦隊」との愛称を持っていた彼らは、ついにその名前にふさわしい結果を残した。
ヨハネスブルクで行われた決勝戦は、オランダが堅い守りを見せたこともあって90分を0-0のままで消化。しかしその沈黙を吹き飛ばしたのがイニエスタだった。
セスク・ファブレガスのパスから鋭いシュートを放ち、ゴールへと突き刺した。
選出者:編集部K
アンドレアス・ブレーメ(1990年)
チーム:西ドイツ代表
決勝のカード:西ドイツ代表 対 アルゼンチン代表(1-0)
西ドイツ対アルゼンチン。4年前の決勝と同じ顔合わせとなった一戦は、西ドイツが主力4人を出場停止で欠くアルゼンチンを圧倒した。
ディエゴ・マラドーナの“魔法”にかけるアルゼンチンの粘りによりスコアは終盤まで動かなかったが、迎えた85分、ロベルト・センシーニがルディ・フェラーをエリア内で倒してしまいPKに。
蹴るのはアンドレアス・ブレーメ。PKの名手として知られる彼は、この緊張する場面でも自らの仕事をきっちりと遂行し、西ドイツを4大会ぶり3度目の優勝へ導いた。
PKの1点のみで勝負が決したワールドカップ決勝は、この大会が今のところ最初で最後である。
選出者:編集部O
ホルヘ・ブルチャガ(1986年)
チーム:アルゼンチン代表
決勝のカード:アルゼンチン代表 対 西ドイツ代表(3-2)
メッシとマラドーナはどちらが偉大な選手か。
この10年、ウンザリするほど繰り返されてきた問い掛けであるが、「メッシはワールドカップを掲げていない」、この事実が議論を長引かせている。その原因を作ったのがブルチャガである。
“神様”マラドーナとの相性が抜群だったアタッカーは、西ドイツとの決勝戦で先制点をアシストすると、同点とされた直後の84分、マラドーナのパスに快足を飛ばして抜け出し、勝ち越しゴールを決めた。
このゴールは母国を2度目の世界一にすると同時に、マラドーナを神格化させ、それは長い時を経てメッシの前に立ち塞がる厚い壁となった。
21日、アルゼンチン代表はロシア大会に臨む23人を発表したが、そこにメッシを支える相棒となり、この厚い壁を打ち壊す「ブルチャガ」はいるだろうか?
選出者:編集部H
ファビオ・グロッソ(2006年)
チーム:イタリア代表
決勝のカード:イタリア代表 対 フランス代表(1-1, 5-3 on penalty)
「決勝ゴール」という表現が相応しいかどうかは分からないが、2006年大会でイタリアに24年ぶりの優勝をもたらしたのはファビオ・グロッソの左足だった。
フランスとの決勝戦は1-1のまま決着がつかず、勝負の行方はPK戦に。ダヴィド・トレゼゲの失敗によりイタリアのリードで進むと、5人目のキッカーであったグロッソが右サイドネットに豪快なシュートを蹴り込み決着がついた。
ワールドカップ決勝の歴史においてPK戦に突入したケースは二度あるが、キックを成功させて優勝を決めたのはグロッソが初めてのこと。1994年大会の決勝では、ロベルト・バッジョの失敗によりブラジルの優勝が決定した。
選出者:編集部S