アルミネ、三隅工場に伸線ライン増設 太径アルミ合金線、自動車向け需要増で

 アルミ線・棒、板の大手メーカー、アルミネ(本社・大阪市、社長・竹内猛氏)は、今期設備投資に総額5億円を投じる。自動車向け太径アルミ合金線需要の好調を受けて、三隅工場(山口県)にアルミ合金線用の太径伸線ラインを約2億円かけて増設する。

 アルミ合金棒の製造ラインについてもモーターのスピードアップや電気設備を改善する。これらの取り組みで、棒の生産能力を20%拡大する。「棒設備の効率化・拡充は喫緊の課題。ライン増設と同時に、既存設備の効率化も進めていく」(竹内社長)。

 大阪工場では工場拡張のため複数のプランを検討中で、今後、数年をかけて拡張のために資金を投じる予定。福利厚生の絡みでは、大阪工場の近隣で社宅を4棟購入する予定。

 なお、海外拠点の「アルミネ・ベトナム」では前期、2億円を投じて停電対策用の電源装置を新規導入した。アルミネ・ベトナムは昨年5月にISO認証を取得した。自動車用重要保安部品に関しては、大半の顧客がアルミネ・ベトナム製品での品質承認を取得済み。残りの顧客についても、承認手続きを進めている。アルミネでは日本とベトナムの両拠点で、リスクを回避できる体制を整えていきたい。

 アルミネの三隅工場は5年後をめどに、現在の約3倍の敷地約3万坪へと拡張する方針。山口県や長門市の要望でもあり、このほど埋め立て工事に着手した。

 「三隅新工場は無人化を追求した『世界一のアルミ線の工場』を目指している。同時に完全無公害で、工場の公園化も図る。既に全自動化に関しては、製造機械の導入検討を進めている」(竹内社長)。

 アルミネはこのほど、営業の人員強化を図った。営業体制は従来比で倍増の10人体制(東京・大阪各5人)へと拡充。マーケットの動向によっては、営業所の新設も検討する方針。

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