悪質客引き、ぼったくり急増 苦情 前年の2.5倍ペース 商店主ら新規制条例の制定求める

繁華街に間隔を置いて並び通行人を待ち構える客引き=熊本市中央区

 熊本地震からの復興に伴い、ようやく客足が戻ってきた熊本市中央区の中心繁華街で、悪質な客引き行為や法外な料金を請求する「ぼったくり」が増えている。「安全で親しみやすい繁華街を取り戻そう」。地元商店主らは県警とも連携して市街地の“浄化”や、悪質店を取り締まる市条例の制定などを目指して動きだした。

 「かわいい女の子いますよ」「3千円ポッキリですよ」。週末の夜のアーケード街。金髪で黒いスーツ姿の若い男らが立ち並び、観光客やほろ酔い気分の会社員らへしきりに声をかけていた。

 同僚とよく繁華街に出掛けるという熊本市の男性会社員(26)は「歩いているだけで何度も声をかけられて煩わしい。客引きについて行き、3人で少し飲んだだけで4万8千円払わされた友人もいる」と打ち明ける。

 悪質店の増加には、地元飲食店主らも頭を悩ませる。60代の男性は「地震後、にぎわいが戻るにつれ、飲食店と契約した県外の客引き業者が、一挙に押し寄せた。たちの悪いやつが増えているんだ」とため息をつく。

 新市街の男性飲食店長(36)が、地元の約20店に聞き取ったところ、「店の敷地まで、よその店の客引きが入ってきた」「系列店を装い、客を連れて行かれる」などの“被害”もあったという。店長は「客を強引に取られ、真面目に営業している店にとって深刻な状況だ」と厳しい表情で語る。

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 客引き行為は風営法と県迷惑防止条例で禁止されている。県警によると、客引きに関する苦情などの通報は、地震があった2016年は149件だったが、17年は537件に急増。18年も1~4月に399件と前年の2・5倍のペースで増え、9人が逮捕された。

 熊本中央署は5月上旬、繁華街で風俗営業許可を得ている飲食店約800店に対し、客引きやぼったくりに関する取り締まり強化を周知した。

 背景には、3月に中央街の雑居ビルで飲食店経営の男性(29)が遺体で見つかり、計6人が傷害容疑などで逮捕された事件がある。事件の発端には、料金トラブルなどがあるとみられ、捜査関係者は「同じような事件の発生を防ぐためにも積極的に摘発していく」と力を込める。

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 繁華街の治安悪化やイメージダウンを食い止めようと街の人々も立ち上がった。商店街組織や防犯協会などは今月14日、「熊本市中心市街地における客引き対策協議会」を設立。現行の制度では取り締まれない、客引き目的でアーケード内に立つ「客待ち行為」なども規制できる新たな条例の制定を求める要望書を、近く市に提出する予定だ。

 木崎宏代表(60)=同市防犯モデル地区推進委員会長=は「次世代に安全な街を継承するためにも、厳しい規制の条例をつくってもらい」と決意を新たにする。(堀江利雅、前田晃志)

(2018年5月23日付 熊本日日新聞朝刊掲載)

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