「当時の巨人に2人いた」―元Gクロマティ氏が明かす「MLBで通用した投手」

MLBで通用した日本人投手について語るウォーレン・クロマティ氏【写真:荒川祐史】

来日中の“G最強助っ人”が絶賛「クワタサンは“トム・シーバースタイル”」

 巨人史上最強の助っ人と称されるウォーレン・クロマティ氏。1984年に加入すると首位打者、MVP、ベストナインなど数々のタイトルを獲得する大活躍で一躍、人気者となった。巨人で通算779試合に出場。打率.321、171本塁打、558打点と素晴らしい成績を残した。

 昨年7月に宮城県石巻市で行われたリトルリーグ小学4・5年生の全国大会「MLBカップ」にゲストとして参加するために来日したクロマティ氏。今年は軟式野球の第4回「MLBドリームカップ」に参戦する「ゼビオ選抜モントリオール・エクスポズ」の監督に就任。13日に都内でトライアウトを行うなど、被災地支援や日本球界への貢献を続けている。

 来日前にはMLBモントリオール・エクスポズ(現ワシントン・ナショナルズ)でも活躍したクロマティ氏は、巨人時代の僚友との思い出を振り返り、2人の投手を称賛した。

「当時の巨人でメジャーで通用していた投手は2人います。エガワサンとクワタサンです。特にクワタサンは私の親友でしたね」

 クロマティ氏は江川卓氏と桑田真澄氏の両右腕について、メジャーレベルだったと太鼓判を押している。特に、桑田氏のピッチングにはPL学園高時代から刮目していたという。

「気に入ったのはピッチングスタイルだ。彼のスタイルはトム・シーバーを彷彿とさせる。クワタサンは“トム・シーバースタイル”だ。彼の投球の技術。アグレッシブだ。いつも、キャップを飛ばすように投げるようなスタイルだった」

 シーバーは、メッツなどでメジャー20シーズンに渡って活躍。1967年の新人王を皮切りに、サイ・ヤング賞、最多勝、最優秀防御率にともに3度輝くなど、メジャー史に残る名投手だった。クロマティ氏は、躍動感溢れる強気なピッチングを見せるPLのエースを、自身もメジャーで対戦したレジェンドと重ね合わせていた。

桑田氏、江川氏以外でメジャーで通用した選手は…

 「クワタサンとエガワサンの登板日は私にとっても最高の活躍ができた試合だったんだ。この2人がマウンドにいる時は私もメジャーリーグの雰囲気を感じることができたんだ。彼らはメジャーリーグのスタイルだ。彼らのテンポは他の投手と全然違っていた。リズムも異なっていた。クワタサンはメジャーリーグで通用するピッチャーだった。その実力を持っていた。彼もずっと行きたがっていたけれど、ジャイアンツは彼を手放そうとしなかったね」

 桑田氏は故障に苦しみながらも巨人で21年間に渡って活躍。173勝141敗14セーブ、防御率3.55という成績を残し、2007年にパイレーツに移籍して念願のMLB挑戦の夢を叶えた。メジャーでは19試合に登板し、0勝1敗で防御率は9.41。だが、巨人時代の全盛期ならメジャーで活躍できた、とクロマティ氏は太鼓判を押している。

「クワタサン、エガワサン、オオノサン、エンドウサンはメジャーリーグのピッチャーだったよ」

 通算148勝100敗138セーブの左腕・大野豊氏(広島)、通算134勝128敗58セーブの遠藤一彦氏、そして、江川氏、桑田氏。当時のNPBで輝いた4人のエースはMLBでも活躍できたはず――。NPBとMLBを知る男、クロマティ氏はこう証言していた。

(Full-Count編集部)

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