現在、40歳を超えて現役を続けているのは8選手
22日に行われたプロ野球は、ベテラン選手たちの活躍が目立った。横浜では、40歳となったばかりの中日・山井大介投手がDeNA戦で今季初先発マウンドに上がると、相手打線をわずか4安打に封じて完封。2014年以来4年ぶりの完封で、史上9人目となる40歳代での完封勝利という快挙も達成した。
そして福岡。まもなく36歳の誕生日を迎えるソフトバンクの摂津正投手は西武戦で今季初先発し、2年ぶりの勝利を掴んだ。5回を投げて5つの四球を与える苦しい投球だったが、粘りの投球で無失点。なかなか出番の巡ってこない、苦しい日々が頭をよぎったのだろうか。お立ち台では人目をはばからず涙した。
“世代交代”、若手への切り替えが、球界の風潮としてある。時代の流れといえば、それまでだが、ただ“年齢”だけでは計ることのできないものが、プロの世界にはある。技術、経験、揺るぎないメンタル…。それを武器とし、若返りに抗いながら、40歳を過ぎても一線級でプレーを続けるベテランたちはいる。
現在、球界でプレーを続けている40歳以上の選手は以下の8人だ。
岩瀬仁紀(中日、43歳)
14試合0勝0敗4ホールド1セーブ 防御率2.25
上原浩治(巨人、43歳)
10試合0勝2敗5ホールド0セーブ 防御率7.00
松井稼頭央(西武、42歳)
8試合13打数2安打0本塁打1打点 打率.154
福浦和也(ロッテ、42歳)
30試合71打数13安打0本塁打5打点 打率.183
新井貴浩(広島、41歳)
3試合11打数2安打0本塁打1打点 打率.182
福留孝介(阪神、41歳)
38試合125打数32安打3本塁打16打点 打率.256
荒木雅博(中日、40歳)
1軍出場なし
山井大介(中日、40歳)
1試合1勝0敗0ホールド0セーブ 防御率0.00
阿部慎之助(巨人、39歳)
21試合33打数7安打2本塁打12打点 打率.212
8選手の中で、今季の1軍出場がないのは中日の荒木のみ
1軍で今季出場機会がないのは、中日の荒木のみ。43歳の岩瀬、上原はともにチームのリリーフ陣の中でも、重要なポジションを担っている。福留はいまだ阪神の中軸打者であり、福浦も今は登録抹消中ながら、今季は早くも30試合に出場している。 リストの最後に名前がある巨人の阿部慎之助は早生まれのため、来年3月20日に40歳となるが、山井と同学年。阿部も代打の切り札、そして時にスタメンで出場し、やはり存在感を発揮している。
30歳代後半まで見ても、ヤクルトの石川雅規投手、中日の松坂大輔投手、阪神の藤川球児投手、オリックスの小谷野栄一内野手などは今も一線級で活躍している。広島のエルドレッドや西武のウルフも、“松坂世代”と同じ37歳だ。
次に、12球団の最年長投手、野手をそれぞれ以下の通りとなる。
ソフトバンク
投手:五十嵐亮太(38歳、1軍出場なし)
野手:高谷裕亮(36歳、18試合21打数1安打0本塁打1打点 .048)
西武
投手:ウルフ(37歳、3試合1勝1敗0セーブ0ホールド 6.57)
野手:松井稼頭央
楽天
投手:久保裕也(38歳、5試合0勝0敗0セーブ1ホールド 3.00)
野手:細川亨(38歳、1軍出場なし)
オリックス
投手:岸田護(37歳、1軍出場なし)
野手:小谷野栄一(37歳、41試合136打数34安打1本塁打11打点 .250)
日本ハム
投手:石井裕也(36歳、1軍出場なし)
野手:矢野謙次(37歳、4試合3打数0安打0本塁打0打点 .000)
実松一成(37歳、1軍出場なし)
ロッテ
投手:大隣憲司(33歳、1試合0勝1敗0セーブ0ホールド 37.80)
大谷智久(33歳、12試合0勝0敗0セーブ5ホールド 2.92)
野手:福浦和也
広島
投手:永川勝浩(37歳、1軍出場なし)
野手:新井貴浩
阪神
投手:能見篤史(38歳、3試合0勝2敗0セーブ0ホールド 7.53)
野手:福留孝介
DeNA
投手:藤岡好明(33歳、1軍出場なし)
野手:G 後藤武敏(37歳、1軍出場なし)
巨人
投手:上原浩治
野手:阿部慎之助
中日
投手:岩瀬仁紀
野手:荒木雅博
ヤクルト
投手:石川雅規(38歳、7試合2勝1敗0セーブ0ホールド 5.18)
野手:青木宣親(36歳、38試合144打数39安打1本塁打16打点 .271)
ロッテの大隣、大谷、DeNAの藤岡は33歳にして、チーム最年長投手となっており、これはチームカラーを反映していると言える。各チームの最年長選手、苦戦を強いられているものもいれば、1軍でチームの中心としてプレーしているものもいることが分かる。
若手の台頭はチームにとって不可欠ではあるが、だからといってベテランの力も侮ることはできない。40歳を超え、なおも第一線で活躍しているベテランたち。世の“中年世代”に勇気と元気、刺激を与えてくれる存在と言えるだろう。
(Full-Count編集部)