JクラブがU-23チームを編成するには何が必要?知られざる10の「ルール」

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現在J3にはFC東京、ガンバ大阪、セレッソ大阪のU-23チームがそれぞれ参加している。

これらのチームは他のJクラブと異なり、いくらか例外的なルールが認められている。

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そのレギュレーションを定めた「J3リーグへ参加するJ1およびJ2クラブが編成するU-23チームに関する特則」という資料には、知られざる内容がいくつも記されている。

今回は、意外と知られていないU-23チームに関するルールやトリビアを見ていこう。

1. 目的

Jリーグは、J1およびJ2クラブが編成するU-23チームのJ3参入について、以下のような目的があると記している。

Jリーグは、日本サッカーの将来を担う若手選手により多くの実戦経験を積む機会を提供し、もって若手選手の育成強化および日本サッカーの発展に資すること、ならびに、J3リーグの競技力および価値を向上させ、もってJ3リーグの発展に寄与することを目的として、次条において定義する「U-23チーム」のJ3リーグへの参加に関する特例的措置を講じることとし、本特則において、「U-23チーム」を編成しているJ1またはJ2クラブ(以下「U-23チーム編成クラブ」という)のJリーグ規約および関連する諸規定における権利義務等について定めることとする。

主な目的は若手選手に対するプレー機会の創出、日本サッカーの発展、そしてJ3の競争力向上の3つとなっている。

あくまで特例的な措置であり、そのために様々なルールを設けているようだ。

2. 申請

J1およびJ2クラブがU-23チームを編成するには、指定された書類の提出が必要だ。

以下の通り。

1. J3リーグへのU-23チーム参加登録申請書
2. 宣言書
3. 強化・育成プラン
4. 組織運営体制
5. 収支予算書
6. スタジアム、トレーニング施設
7. 過去の育成実績

次シーズンにおける参入申請の締め切りは、前年の6月30日まで。つまり、来季からの編成を検討しているチームは、来月中に登録を済まさなければいけない。

ちなみに、すでにJ3に参入にしているU-23チームを編成するJクラブは原則として次シーズンも継続参加となるが、毎年6月30日までに「宣言書」と「過去の育成実績」の書類を提出する必要がある。

3. 審査

Jリーグは申請のあったクラブに対して、ヒアリングなどの手段で審査を行う。

その内容は以下の通り。

1. 申請クラブの責任者からの聴取
2. クラブの経営状態、人事体制、組織運営、法務等およびU-23チームの戦力に関する
調査
3. J3リーグで使用するスタジアム基準審査
4. 次条に定める各条件の充足状況に関する審査

またU-23チームを設立する上で、申請するクラブ以下のような条件を満たしている必要がある。

J3リーグへU-23チームを参加申請するクラブは、次の条件を満たしていなければならない。

1. ホームタウンまたは活動区域内のJ3基準を満たすスタジアムで原則としてホームゲームの80%以上確保されていること
2. U-23チームの運営にあたり、短期的に資金難に陥る可能性が極めて低いとJリーグが評価できる状態であること
3. U-23チームを運営できる人事、組織体制が整えられていること

「U-23チームの運営にあたり、短期的に資金難に陥る可能性が極めて低いとJリーグが評価できる状態であること」という条件を考えると、やはりある程度の規模を持ったクラブでなければU-23チームを作るのは難しそうだ。

4. チーム数

現在、3つのU-23チームとその他の14のチームを合わせた計17チームによって争われているJ3。

実は「U-23チームのJ3におけるチーム数は、J3クラブ総数の3分の1を上限の目安とする」という決まりがある。

そのため、U-23チームの編成を希望するクラブ数が上限の目安を上回った場合、J3における成績下位のU-23チームとの間で入れ替え戦が実施されるという。

そのレギュレーションについては決められておらず、理事会で定められるという。

5. 脱退

ここまでJ3参加に関するレギュレーションを見てきたが、もちろん脱退することも可能である。

脱退には理事会の承認を得なければならない。

ただしシーズン途中の脱退は認められず、次シーズン終了をもって脱退しようとする場合は、その前年の6月30日までに申請しなければならないという。

なおトップチームがJ3に降格した場合は、そのU-23チームは自動的にJ3から脱退となる。

6. チーム名とエンブレム、ユニフォーム

現在J3に在籍する3つのU-23チームは、いずれもチーム名の末尾に「U-23」が付いている。

名称については以下のような決まりがある。

U-23チームの名称は、トップチーム名に「U-23」をつけることを原則とする。
また、チーム名称については商標登録済みであるかまたは商標出願してなければならない。

これを読む限り、「U-23」の表記は必ずしも末尾にある必要はないようだ。

また、U-23チームのエンブレムについては「原則としてトップチームのデザインと同じとする」としながらも、理事会の承認が得られれば、トップチームのロゴを踏襲しつつ「U-23」表記を付加するなど、差別可能なデザインを使用することができるという。

一方で、U-23チームのユニフォームについてはトップチームと別のデザインが認められている。

ただし「色使い等においてトップチームのデザインを踏襲し、関連性を維持すること」とあり、やはりトップチームとかけ離れすぎているデザインは認められないよう。

実際、FC東京U-23はトップチームとは少し違ったデザインのユニフォームを採用している。

7. 参加料

Jリーグに新規加盟したチームは入会金や会費を支払う必要があるが、U-23チームは例外とされている。

しかし、J3への参加料を支払う義務があり、参加初年度は1500万円、2年目からは1000 万円(ともに税抜き)をともに当年の4月末までに納入しなければならない。

8. 昇格

2018シーズンのレギュレーションではJ3の上位2チームに自動昇格権が与えられるが、仮にU-23チームが2位以内となった場合、J3におけるすべてのU-23チームを除いた年間順位の上位2クラブがJ2に昇格する。

つまり、U-23チームは昇格の権利を持たないのだ。

また上述した通り、トップチームがJ3に降格した場合は、そのU-23チームは自動的にJ3から脱退となる。

9. 監督コーチ、チームスタッフ等の登録登録

トップチームとU-23チームでは、監督の兼任が認められていない。

ただしコーチやチームスタッフ、運営担当、広報担当などは兼任が認められている。

10. 特例的なレギュレーション

J3に参加するU-23チームは、いくつか特別なルールが存在する。

(1) 同日の試合出場

トップチームとU-23チームの両方でエントリーされている選手は、どちらか一方で1分でも出場していれば、同日に行われるもう一方の試合に出場することはできない。

ただし、ベンチ入りのみであれば出場が可能である。

また、各リーグは別大会として扱われるため、警告累積や退場、出場停止などは別のリーグには影響しない。

(2) オーバーエイジ

「U-23」と名が付いているが、3名に限ってはU-23チームでの登録がなされていない選手を起用することができる。

実際、FC東京U-23では大久保択生や吉本一謙、米本拓司が、G大阪U-23では菅沼駿哉や泉澤仁が出場している。

ちなみに、GKに限っては追加で1名のオーバーエイジが認められている。

(3) 世代別の他のコンペティションと被った場合

Jリーグは規約の中で「U-23チーム編成クラブは、U-18年代の大会とU-23チームの試合日程が重複した場合、各選手にとってより良い出場機会を創出しなければならない」と定めている。