北の船に遭わず、大和堆から安堵の初帰港 石川の底引き漁船 不安は拭えぬまま

 日本の排他的経済水域内にある日本海の好漁場「大(やま)和堆(とたい)」で20日解禁された底引き網漁を終え、石川県漁協所属の漁船2隻が23日、金沢港に帰った。昨年5月には水産庁が大和堆で北朝鮮船の違法操業を確認したが、漁船2隻は北朝鮮船と遭遇することなく、今年最初の大和堆での漁を無事終えた。しかし、漁師たちは「夏になってイカが大和堆に集まると北朝鮮の船もまた来るだろう」と拭えぬ不安を口にした。

 県漁協によると、大和堆での漁解禁に合わせ、金沢港支所の底引き網漁船「平(へい)昌(しょう)丸」と「第55住吉丸」の2隻が20日午後11時に金沢港を出た。金沢の北北西約330キロの大和堆の海域には21日午後2時ごろ到着し、23日午前3時ごろまで甘エビ漁を続けた。

 県漁協が18日、水産庁に大和堆の現状を問い合わせたところ「1年前より安心して操業できる」との回答を得た。2隻の船長に伝えられていたが、金沢港支所船長会長で平昌丸船長の鳥井淳二さん(62)は「現場に着き、自分の目で北朝鮮の船がいないのを見て初めて安心できた」と話す。

 2隻はレーダーや無線で互いの位置を確認しながら漁を進め、23日午後6時ごろ金沢港に帰港し、甘エビ計3トンを水揚げした。深海魚が網に多く入った影響で、例年の解禁時と比べて水揚げは約2割少なかった。

 鳥井さんによると、大和堆の底引き網漁では近年、北朝鮮製とみられる刺し網が、日本の漁船の網やスクリューに絡まるトラブルが続いている。

 住吉丸も昨夏、北朝鮮船の刺し網が底引き網に絡まり、漁が一時できなかった。昨夏、水産庁の取締船による北朝鮮船への放水も目撃した住吉丸船長の岩崎清さん(58)は「今はいいが、国は今後も取り締まりを強化してほしい」と訴えた。

 水産庁によると、6月のイカ釣り漁が始まる前に今月から取締船を増やすなど、監視体制を強化している。大和堆での底引き網漁は8月末まで行われ、県内では金沢支所の3隻と、金沢港支所の4隻が同漁の許可を得ている。

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