世界遺産登録へ 住民合唱団 小値賀の有志30人 祝福の歌声を

 北松小値賀町は町内に構成資産「野崎島の集落跡」がある「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の世界文化遺産登録に向け、住民合唱団を結成。登録時に美しい歌声で祝福しようと、練習に励む。
 合唱団は昨年6月発足した。未就学児~80代までの約30人が月1回2時間程度、小値賀町離島開発総合センターで、ハーモニーを響かせている。
 町は国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会を住民へ中継するパブリックビューイング(PV)を同センターで計画。合唱団はPV時に聖歌「アレルヤ」「ごらんよ空の鳥」など5曲程度を披露する。野崎島にある旧野首教会でもコンサートをする予定。
 母親と2人の妹と参加している町立小値賀小6年の森幸奈さん(11)は「世界遺産になるのが待ち遠しい。歌詞に込められた世界をイメージしながら歌っている」と笑顔。合唱団を指導する、玉川大芸術学部講師の小口浩司さん(36)は「世界遺産になるという誇りのおかげで、練習を重ねるごとに技術が向上している。音楽を通じて、かつて島の人々にあった信仰の思いを表現できれば」と期待を込めた。

合唱練習に励む参加者=小値賀町離島開発総合センター
合唱団のメンバーと、指導する小口さん(後列右から6人目)

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