長崎伝習所 5塾始動 ドローンで地域活性化 高齢者のリハビリや災害時に利用 講師の平塚さん「活用のモデル都市に」

 小型無人機「ドローン」を長崎のまちづくりに活用しようと、挑戦している人がいる。県民ボランティア団体「Nagasakiドローン倶楽部」事務局長の平塚健一郎さん(49)=長崎市在住=。本年度、同市主催で地域活性化を目指す「長崎伝習所」の講師となり、福祉施設入所者らの機能回復訓練から災害時などの利用まで、幅広いジャンルでのドローン活用について研究を始める。
 ドローンには、手のひら大から大型機までさまざまなサイズがある。カメラ付きや競技用など機能、用途別の機体も販売されており、農薬散布などの業務用のほか、趣味として楽しむ人も多いという。
 平塚さんもその一人。昨夏、友人と市内の公園で初めて操縦した時、自由に飛び回る様子にみせられ、休日ごとに楽しんでいた。しかし、人が密集する場所での飛行が法律で制限されるなど、市内ではなかなか思うように遊べない。昨年11月、同市の端島(軍艦島)で、撮影用のドローンの落下事故が起きるなど操作トラブルも各地で相次いでいた。
 「ドローンを楽しめる場所を探し、適切に操縦する人を増やしたい。ドローンを活用した地域貢献も目指したい」。そう考えた平塚さんは昨年12月、ドローン愛好者らと同団体を設立した。
 今年は市と連携する「長崎伝習所」で講座を開く。活動を通じ、市内の練習場所を探したり、他県の団体を視察したりして、ドローンを操る新たな担い手を増やしていく。
 新たな活用方法を模索する。長期入院の子どもや高齢者の施設を訪問。操縦を通して、楽しみながら指のリハビリにつなげてもらう。災害時には、遭難者などを早期発見するツールとしてカメラ付きの機体を使えるよう勉強するつもりだ。
 平塚さんは「ドローンはさまざまな可能性を秘めているが、長崎での認知度はまだまだ低い。受講生と一緒に技術力を向上させ、長崎がドローン活用のモデル都市になるよう研究を頑張りたい」と意気込んだ。

「ドローンはさまざまな可能性を秘めている」と語る平塚さん=長崎新聞社

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