【顔】〈昭和電線ホールディングス、電線大手メーカー初の女性社長に就任する長谷川隆代氏〉超電導分野の開発けん引コミュニケーション重視

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 「新たなものを生み出したい」と応用科学を専攻し、昭和電線電纜(現・昭和電線ホールディングス)に入社した。歩みは研究開発中心で、3年目から開発のスタート段階にあった超電導技術を担当。役員就任まで実用化に向けた研究に打ち込んだ。超電導技術は現在、大手電線メーカー各社が送電ロスを大幅低減する次世代技術として開発に注力。長谷川氏は超電導分野をトップランナーの一人として切り開いてきた。

 芯が強く、周囲とのコミュニケーションを何より重視する人柄。管理職としては困難や課題に挑戦する強い情熱と、部下や後輩の成果を共に喜びながらチームの力を引き上げることで、研究開発部門を支え続けてきた。また本気で取り組むからには自分がしてきたことの証を残したいと、働きながら論文を執筆。1996年には博士号を取得した。

昭和電線HD社長に就任する長谷川氏

 電線・ケーブル事業を担当する中核事業子会社、昭和電線ケーブルシステムで研究開発を指揮する技術開発センター長などを経験し、13年にはホールディングスの取締役に就任。上場大手の電線メーカー初の女性取締役として注目された。役員として「グループの技術力を集約し新技術分野に挑戦するマインドと仕組みを強化する」と将来の成長に向けた技術開発を加速。技術に裏打ちされた同社の競争力を着実に高めてきた。

 同社では今期から22年度までの5カ年中期計画を始動。その中でEV・自動車、FA(ファクトリー・オートメーション)、医療の3分野で新規事業を積極創出する施策を打ち出している。今後は技術に関する深い知見を生かしたかじ取りで、成長分野で新たな収益の柱を打ち立てる。

 趣味は水泳で休日はプールでリフレッシュ。「泳ぎながら仕事のアイデアが浮かぶことも」と笑顔。(古瀬 唯)

略歴

 1984年(昭59)新潟大院修了、昭和電線電纜(現・昭和電線ホールディングス)入社。2005年技術開発センター次長兼超電導プロジェクト長、10年執行役員技術企画室長、13年取締役就任。この6月から社長に就く。