九州7県、JRに特別要望 ダイヤ改正で支障、改善を 減便見直しなど長崎県は14項目

 在来線を大幅減便した3月のダイヤ改正による影響を調査していた九州7県の幹部は25日、福岡市のJR九州本社で、利便性改善を一致して求める「特別要望書」を提出した。調査では通学に支障が出ていることなどが判明。福岡県の小山英嗣企画・地域振興部長は要望後、記者団に「深刻な影響を与えている。JRは真摯(しんし)に受け止めてほしい」と述べた。
 JR九州によると、古宮洋二鉄道事業本部長は「利用状況を把握し、運転時刻の修正や車両の増結などを検討したい」などと応じた。同社は独自の調査も踏まえ、各県に検討結果を報告する方針という。
 特別要望書に盛り込まれた調査結果によると、ダイヤ改正後、通学に保護者の送迎が必要になったり、高校が授業時間を変更したりする例が複数確認された。 JR九州は4月から、社員が列車に乗るなどして調査を実施。朝の通学時間帯の列車が2両から1両編成になり、宮崎の高校の生徒が遅刻する事態が起きた吉都線では、平日は2両で運行する対策を取っており、6月以降も続ける。
 長崎県は4月以降、沿線の自治体や高校を対象に調査。長崎、佐世保、大村の各線とも減便や区間短縮などの影響が出ているとして、減便見直しなど14項目を要望した。
 県新幹線・総合交通対策課によると、午後7時29分の長崎発佐世保行き列車は後続列車の減便で特に混雑し、当初は乗りきれない人がいた可能性がある。JR九州は21日からロングシート方式の車両を導入することで定員を40人程度増やすなどの対策を取った。
 また、長崎発肥前山口行きだった列車が湯江止まりに変更されたため、下校の高校生がバスに乗り継ぐなどの影響も出ている。
 同課の早稲田智仁課長は「混雑緩和や利便性向上のため、車両の仕様変更や増結を含めて対応してほしいと伝えた。今後も状況を見ながらJR九州と意見交換する」と話した。

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