【非鉄40社17年度業績ランキング】26社が増益、住友電工が経常利益3年連続首位

 鉄鋼新聞社調べによる主要非鉄企業40社(流通企業などは除く)の17年度業績ランキングがまとまった。非鉄金属価格の上昇に加え、半導体関連など電子材料、自動車関連材料の需要が堅調だったことなどから、前期と比較可能な39社中36社が増収、26社が経常増益(黒字転換含む)となった。ランキングでは経常利益で住友電工が、売上高経常利益率(ROS)で東京特殊電線が3年連続の首位。住友金属鉱山は経常利益、ROSともに3年ぶりにトップ3圏内に返り咲いた。

 40社合計の売上高は約15兆709億円で、16年度に比べて約1兆2622億円(9・1%)増加した。非鉄金属価格の回復に伴う販価の上昇や、自動車・電子関連の需要環境が比較的良好だったことが増収に寄与した。経常利益は25社が増益、1社が黒字転換した。40社合計の経常利益は約7743億円で、16年度比で約1220億円(18・7%)増加した。

 業種別では、非鉄製錬大手8社のうち、4社が経常増益、1社が経常黒字化した。非鉄金属価格の上昇が追い風となったほか、半導体向けなど電子材料の需要が堅調に推移。前期まで2年連続でチリ銅鉱山での減損損失を計上していた住友金属鉱山は経常損益が前期比約1265億円改善し、ランキング上位に復帰した。

 電線大手は、住友電工が過去最高益となったのをはじめ、全社が増益と好調だった。情報通信や自動車、電線関連では好不調が分かれたが、エレクトロニクス関連が好調に推移し、収益押し上げに寄与した。

 アルミ圧延大手は4社中2社が増益となった。地金価格の上昇に加え、アルミ板・押出製品需要が1年を通じて堅調に推移したことから全4社が増収となったが、原燃料価格の上昇などで利益の伸びは限定的だった。

 ROSは、10%超が2社(前期は4社)、5%超が19社(同18社)で、23社のROSが前期比で改善。黒字企業38社のROS平均は約5・75%(前期は黒字39社平均で約5・47%)にアップし、2年連続で利益率が改善した。

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