息子抱き上げるイバンカさんの写真に批判殺到

By 太田清

 

イバンカ・トランプさんのツイッターから

 トランプ米大統領の長女イバンカ大統領補佐官(36)が27日、ツイッターに自分の2歳の息子を抱き上げ見つめ合う写真を投稿したところ、批判が殺到した。父親のトランプ大統領が進める不法移民に対する「不寛容」政策の元、不法入国者親子を拘束後、親子を引き離すことを政権が決めたことへの反発が原因。英紙ガーディアン(電子版)などが伝えた。

 米当局は、不法入国者に子供がいた場合、不法入国者の訴追手続きを進める一方で、子供を引き離して保護することを決めた。これまでは国外退去などの最終的な決定が下りるまで、親子は同じ施設に滞在できた。人権団体は不法入国者の親子を「見せしめのように離れ離れに拘束している」と批判を強めていた。

 写真は「私の❤! #日曜日の朝」とのタイトルでアップされた。あるユーザーは「あなたは3人のお母さんでしょう。私もそうです。不法移民取り締まり当局者があなたの大切な子供を連れ去って、もう会いに行けないことを想像してみて。あなたのお父さんのせいで今起こっていることなのよ。何かして!」と書き込んだ。別の投稿は「母親である大きな喜びから投稿したんでしょうけど、絶望している多くの(不法移民の)母親がいるのよ」と指摘した。

 ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスのブライアン・クラース特別研究員(世界の民主制度研究)は「不法移民親子の強制引き離し政策に対する一般市民の怒りを考えれば、信じ難い政治音痴だ。イバンカ・トランプ氏も政策を支持しており、共犯だ」と語った。

 強制引き離し政策は事実上、既に何か月間も実施されており、ニューヨーク・タイムズ紙によると、昨年10月以降、既に700人以上の子供が親から引き離され、うち100人以上は4歳未満の子供だという。

 トランプ大統領は26日、強制引き離しについて「この恐ろしい法律をやめさせるよう民主党に圧力をかけろ」と、なぜか野党民主党を批判したが、真意は不明だ。 (共同通信=太田清)

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