日立金属電線材料カンパニー、成長5分野の事業拡大 鉄道・xEV向けなど注力

 日立金属の電線材料カンパニーは成長5分野の事業を拡大し、収益体質を強化する。鉄道車両用電線など、鉄道分野では中国・欧州を中心に拡大を進める。xEV用マグネットワイヤは新銅合金HiFCや革新的生産ラインを生かし事業を強化。医療分野と自動車電装部品、FA・ロボット用電線にも注力する。

 鉄道分野は17年度中国での売り上げが5割増と大きく伸びており、今後も拡大策を継続。新型特別高圧ケーブル用端末を市場に投入するなどしてシェアを高める。欧州ではハーネスの設計や組み立て、取り付けに関する指示書作成などを合わせたソリューション提案と生産増強でハーネス事業を拡大させる。

 xEV用マグネットワイヤは4月の新型連続鋳造圧延ライン竣工を機に、導電性や柔軟性などに優れる新銅合金HiFCを武器として拡販。併せてモノづくりを高速化できる革新的生産ラインを日本に加えタイでも導入する。またxEV関連需要が見込まれる中国での生産も検討する。

 医療分野ではカテーテル・ケーブル複合製品や新プローブケーブルの量産化を目指す。プローブケーブルは中国拠点の加工自動化を進め、19年から関連設備を順次稼働させる。

 自動車電装部品はABS一体型EPBハーネスや各種センサなど電装部品の全体の能力を適用車種の拡大に応じて増強するとともに、xEV用モータの組み立て作業を簡易化できる配線部材の量産拡大を目指すなどして18年度には350億円の売上を目指す。FA・ロボット用電線は日本・中国・ベトナムでの増強投資などで事業を拡大させる。

 成長5分野での売上高は17年度950億円。18年度については1千億円への拡大を目指す。

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