「高齢者の再定義を」 自民・小泉氏らが社会保障改革提言

 自民党の人生100年時代戦略本部は29日、「高齢者」の再定義や定年の見直しをはじめとする抜本的な社会保障改革を政府に求める提言をまとめた。2024年には50歳以上の人口が5割を超えるとし、年金制度や働き方を見直す改革案と工程表を19年末までに取りまとめるよう明記。近く安倍晋三首相に提出する。

 事務局長を務める小泉進次郎筆頭副幹事長(衆院神奈川11区)は会見で「次の世代に向けてやらなければいけない社会保障改革を進めるためには、国民の理解が欠かせない。国民的な議論を巻き起こしたい」と述べた。

 提言では、将来推計人口に基づき6年後には50歳以上が全人口の50・6%を占める状況を「2024年問題」と位置付け、「どの国も経験したことのない事態」として問題提起した。

 その上で、難病などの大きなリスクは社会全体で支え、真に支えを必要とする人に支援を届けることを前提に、現在は60~70歳で選択できる公的年金の受給開始年齢を70歳超とすることもできる制度の柔軟化を提案。年齢ではなく経済力に応じて負担する社会保険制度の構築などを検討するよう求めた。

 こうした改革につなげるため、名称や対象年齢の変更を含めた「高齢者」の再定義から、全ての年代が能力を生かして働くことができる「エイジフリー社会」構築の必要性も訴えた。

 同本部は小泉氏を中心に、有識者を招いて議論を続けてきた。

人生100年時代戦略本部でまとめた提言を説明する小泉氏(左)=自民党本部

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