1軍昇格目指すロッテ岩下 怪我を残り越え勝負の今季「何かきっかけを」

ロッテ・岩下大輝【写真:沢井史】

今季は「プロに入って一番コンディションはいい」

 試合を終えると、ロッテの岩下大輝投手はため息が聞こえてきそうな表情でベンチを引き揚げてきた。

「修正能力の低さですね。1つダメなところが出てくると、ズルズルと引きずられてしまう。特に今日みたいに大きいのを打たれると、止められなくなるんです」

 2番手で登板した24日のイースタン・リーグ西武戦で、まさかの2回7安打8失点。ホームランを浴びるなど散々な内容に、浮かない表情にならない訳がない。プロ4年目の今年は正念場となりそうだが、実際は過去3年間を見ても半年くらいしか野球がやれていなかったのだ。

 その原因は、度重なるケガ。「1年目に右ひじの手術(トミー・ジョン手術)をして、去年はヘルニアの手術をしました。ただ年数を重ねているのに結果を出せていないのが現状です。万全でないから、というのは言い訳になるし、そういう運命なのかと。でも、今はプロに入って一番コンディションはいいと思います」

 だからこそ、結果には人一倍こだわりが強くなり、1球1球にも力がこもる。高校時代は星稜(石川)のエースとして夏の甲子園にも出場し、伸びのあるストレートとキレのあるスライダーを武器に快投を見せ、注目されてきた。プロに入れば、誰にでも様々な試練が巡ってくるが、それをどう乗り越えるか。試練を超えて、また試練という苦しさは続いているが、現状と向かい合いながら強い気持ちを持ち続けるしかない。

「調子のいい時と悪い時はあるので、そのいい時をどれだけ続けられるか。でも、野球(の打率)でよく言う3割より、残りの7割をどう自分の数字にできるかですね。もう、やれることをやるだけ。その中で、何かきっかけを掴んでいけたらと思います」

 苦しみ抜いた先に、きっと答えが見つかる。そう信じながら進む岩下の未来に光が射す時を待ちたい。

(Full-Count編集部)

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