東邦シートフレームのポリカとガラスの複層窓、マレーシアの通勤電車に採用 JR北海道と共同開発

 東邦シートフレームが北海道旅客鉄道(JR北海道)と共同開発した、鉄道車両用でポリカとガラスの複層ハイブリッド窓(IGP)がこのほど、マレーシア国鉄の通勤電車で採用された。寒冷地の北海道で窓割れが起きない実績で評価を受け、海外の鉄道向けで初の本格採用となった。海外で需要拡大が見込まれる中、韓国などから引き合いがあり、ファインメタルとアイデッキ、容器の各部門に並ぶ収益事業として成長をけん引する。

 通勤電車の割れた窓を順次交換する。マレーシアでは投石などで通勤電車の窓割れが頻発しており、対象は全体で228両、約6千窓に上る見込み。同国当局では新型や他の既存の車両への導入を計画するほか、窓割れ対策に取り組む韓国やトルコでも採用が検討されている。

 IGPは従来の強化ガラスなどの複層窓に対し、200倍を超える衝撃強度をもつ。透明度を保持しながら投石やバラストなどの飛来物から窓割れを防ぐ。重量が従来に比べ3分の2と軽く、断熱性に優れる。2008年には世界鉄道技術会議で表彰され、グッドデザイン賞も受賞。

 東邦シートフレームでは今夏にも八千代事業所(千葉県八千代市)でIGPの出荷を開始し、今年度は生産設備の増強に乗りだす。

© 株式会社鉄鋼新聞社