産総研、低温・低圧でアンモニア製造可能な触媒開発

 産業技術総合研究所は、従来法より低温・低圧でアンモニアを合成できるルテニウム触媒を開発したと発表した。

 再生可能エネルギーを利用して製造した水素からのアンモニア製造が可能となるため、水素を輸送する際のキャリアとしての活用が期待されている。日揮と共同で同触媒を用いた実証試験装置によるアンモニア製造実証試験も本格的に開始した。

 今回開発した触媒は、触媒成分であるルテニウムをナノ粒子として担体に分散させたもので、一般的に知られているルテニウム触媒の性質である水素被毒によって高圧では性能が低下してしまうという課題を克服した。

 また、変動する再生可能エネルギー由来の水素供給に対応するため、運転条件が変化した場合にも安定してアンモニアが製造できることも特長となっている。

 今後は、再生可能エネルギー由来の水素供給量の変動を想定した条件での実証試験装置運転で、アンモニアの生産能力20キロ/日が達成できることを確認するとともに、再生可能エネルギーによる水の電気分解で製造した水素を原料とするアンモニアの合成試験を実施する予定。

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