「びわカステラ」召し上がれ 諫早農高 食品科学部開発 県産品使いしっとり食感

 諫早市立石町の県立諫早農業高(行成啓介校長)の部活動「食品科学部」の生徒19人らは、千鶏カステラ本舗(雲仙市)の技術指導を受け、県産ビワを用いた商品「びわカステラ」を共同開発したと29日、発表した。廃棄される規格外ビワを活用しようと、変色しやすい実の保存を研究して商品化に結び付けた。
 商品開発は、ビワ生産量全国1位を誇る本県で、ハウス栽培で約20%、露地栽培では約50%が規格外として廃棄されており、有効活用を考えたことがきっかけ。現3年生が入学した2016年4月からビワ栽培農家で研修を受け、皮をむくとすぐに色が変わり、長期保存が難しい課題を研究。酸性の溶液に浸し熱処理を加え、砂糖を加工することで解決した。
 部員は17年12月から千鶏カステラ本舗で技術指導を受け、試作を重ねた。県産「びわリキュール」を加え、甘いビワの風味を生かししっとりとした食感に仕上がった。部員で考案したゆるキャラ「びわおくん」をパッケージにあしらった。
 3年の岡村彩加さん(17)は「多くの方の協力を得て形になり、とてもうれしい。長崎みやげの定番として、県内だけでなく全国の人に食べてもらいたい」と喜んだ。「びわカステラ」は290グラムで税込み千円。雲仙市千々石町丙の千鶏カステラ本舗で6月1日から販売する。

生徒たちが開発した「びわカステラ」=諫早農業高
「びわカステラ」を開発した食品科学部の部員と「びわおくん」

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