ママ支援タクシー好調 優しい運転、細やか配慮 長崎第一交通と三光第一交通

 佐世保市のタクシー会社、長崎第一交通佐世保営業所(相浦町)と三光第一交通(卸本町)が、妊婦や子育て中の母親の支援を目的に2014年6月に市内で導入した「ママサポートタクシー」が好調だ。妊婦らの口コミで広まり、年々利用者数を伸ばしている。今後はソフトとハード両面の充実を図る。
 第一交通産業(北九州市)グループが全国展開しているサービス。利用者は事前に出産予定日やかかりつけ病院などを登録する。登録者には助産師の講習を受けたドライバーが対応する。車にはバスタオルと防水シートを備えている。子育て中(3歳未満)の母親も利用できる。
 現在は市内で約1200人が登録。年間利用件数も当初に比べ2倍以上に増えた。産婦人科にチラシを配布して周知を図ったほか、ドライバーらが登録者の住所を事前に訪問し「お迎え場所」を確認するなど、細やかなサービスが好調の要因となっている。
 現在、講習を受けたドライバーは両社で51人。今後も講習を開き、人材育成に取り組む。本年度には低床車両を導入し、妊婦がさらに利用しやすくなるよう改善を図る。両社などでつくる長崎第一交通グループの西山輝明社長は「利用者から『運転が優しい』という声も聞く。これからは一層乗りやすく快適なサービスにしたい」と話している。
 登録無料。問い合わせは佐世保地区総合配車センター(電0956・48・7191)。
 
 ○利用者から「支える側に」 ママさんドライバー 松尾さん
 長崎第一交通佐世保営業所には、ママサポートタクシーに登録している「ママさんドライバー」がいる。2児の母、松尾英絵さん(35)。育児と仕事を両立させて業務に励んでいる。女性に優しいサービスが、人材確保につながった格好だ。
 松尾さんは長女の出産を控えた2015年にママサポートタクシーに登録した。緊急時の利用はなかったものの、「何かあった場合、すぐに来てもらえるという安心感があり、精神的にすごく助かった」と振り返る。
 2人目となる長男を出産後、仕事を探していたところ、求人票にあった「女性応援」との文言に引かれ、17年10月に入社した。「まさかタクシードライバーになるなんて想像していなかった」と明かす。不安もあったが、子どもの発熱時などは早退できるよう配慮されている。
 今後は講習を受け、ママサポートタクシーのドライバーになることを目指している。松尾さんは「今度は支える側になれたら、うれしい」と笑顔で語った。

佐世保市でのママサポートタクシーの登録と利用状況
「今度は支える側になりたい」と語る松尾さん=佐世保市、長崎第一交通佐世保営業所

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