31日(木)、2018年ワールドカップに臨む23人の登録メンバーを発表した日本代表の西野朗監督。
今回はこの日の会見における全文を文字起こしする。かなりのボリュームになるため、いくつかの記事に分けてお伝えしよう。
※できる限り口語調のまま掲載
西野 朗(日本代表 監督)
「皆さん、こんにちは。
先月の12日にサムライブルーの監督に就任させていただきました。
1か月たらずのなかで、さらにこれから大きなステージに向かう。そういう短い間での…しかも今月21日からのキャンプ、10日たらずでの活動のなかで、今日ワールドカップの23名のリストをあげなければいけない。
非常に難しい、厳しい…ただ代表ならではのこの選考に関して、自分が携われることに関して本当に嬉しく思っていますし、自信を持って23名のリストをあげたいと思います。
昨日はワールドカップに向けての最初の壮行試合、悪天候にかかわらずたくさんのサポーターに来ていただきました。選手たちも『絶対に勝ちたい』という気持ちを強く持って昨日は臨んでくれました。
新体制になって、また新しい戦い方、システムもトライさせました。そのなかで選手たちは短い中で、強いチャレンジ、トライをしてくれたと思っています。
結果、得点が生まれなかったということが一番悔しいです。そういうスタイルを求めて戦いましたので。
結果が出なかったということを悔しくは思っていますが、必ずワールドカップに繋がるゲームを選手たちはできたという感触を持って次のステップに進めて、事前のヨーロッパのキャンプで良い準備をしてくれると確信しています」
「そのなかで、21日から27名の選手を選考してキャンプに入りました。
残念ながら怪我の影響で1名(青山敏弘)が離脱して26名で入って、最終的には全て良い状態で代表チームの選考に臨める状況ではありませんが、まだ本大会までは猶予があります。
そういう猶予を含めた上で、23名のメンバーを決めさせてもらいました。
発表したいと思います。 サムライブルー、18年ロシアワールドカップに向けてのメンバーを発表したいと思います。
以上、23名。
明日23名集合して、オーストリアに向けて出発したいと考えています。以上です」
――ワールドカップを戦うメンバーを選ぶ初めての作業。23人を決めた今の思い、心境は?
「日本サッカー界はロシア大会に対して、ブラジル大会での結果を踏まえて成長し、ロシアへ向けての強化を進めてきました。
選手たちもロシアに向けてお互いに切磋琢磨しながら、やはり一プレイヤーとしての競争のなかで目指してきた大会です。
そういうなかで最終的に今日、23名を選ばなければいけない。
指導者にとって選ぶことの厳しさは誰もが持っていますし、代表チームに関しては選べる…いろいろな可能性を選手たちは持っていますし、それをサムライブルーの形に、ロシアの大舞台でのフットボールを見せなければいけないというなかでメンバーを選考するということですから。
しかも、この期間の中で決めさせてもらったということ。ロシアへの舞台を作ってくれた選手もいます。現在、非常に伸びている選手もいます。
これから飛躍してくれるであろう選手たちもたくさんいますし、そういういろんな要素を含めて選ばなければいけないこの代表メンバーですので、これは瞬間に決められるものでもないことで。
昨日のゲームが全てではもちろんないですし、総合的に考えたなかで(コロンビア戦が行われる)来月の19日にベストパフォーマンスを出してくれる選手を、いろんな可能性を考えたなかで選ばせてもらいました」
――昨日の試合を終えてから今日ここに至るまで、どんなことを考え、いつ最終的なメンバーを決めたのか?
「今朝、昨日のゲームでプレーした選手を含めて全員のメディカルチェックを行って、その上で最終的にスタッフの意見も聞きたいというなかで最終的には今朝決めました。
ただ自分の中で、昨日の試合が終わった時点でほとんど大きな怪我はなかったので、そのなかでリストは作らせてもらいました」
――重要視したポイント、基準になったところは?
「大会に臨むにあたって、対戦国も含めていろんなプランを立てる、いろんなシチュエーションを考えたなかでどれだけ絵を描けるか。
そのなかに選手たちがどう入ってくるのかという可能性をたくさん持ちたいというのが、これは指導者は持つことなので。
そういう可能性を膨らませられるタレントをこれからどう組んでいけるか。そういうことを考えるなかで、ポリバレントと言いましたけども、そういうことも含めていろんな可能性を考えたい。そういう基準は一つあります。
自分の中で第1試合、 第2試合、第3試合っていうようなシミュレーションをいろいろできる…そういう中でそこに選手が入ってくることを考えながら。そうすると非常に膨らんでくることは間違いないんですね。
そういう選手たちの可能性を信じたいと思います」
――候補メンバーからは3人が落選。昨日も出場があった井手口はなぜ外れたか?三竿、浅野について考えていることは?
「非常に有望な若手の3人なんです。
この舞台に立たせてくれたのも彼らの力が大きいですし、彼らの代表でのパフォーマンスは強く感じていますし、それを求めたかったです。求めたいです。
ただ彼らの現状がそういう環境でなかった(所属クラブで出場機会が限られていた)ということもあって、そのなかで鍛えられている彼らであれば、さらに現時点で…いた(よりコンディションを上げた状態でいられた)と思います。
それを僕は期待して『確認をしたい』というなかで招集しました。非常にパフォーマンスは上がってきていました。
昨日も制限された時間の中でトライはしてくれましたが、さきほど言った可能性に関しては彼らももちろん考えたいところなんですけども、現時点でのトップパフォーマンスというなかでは、自分の中では持てなかった。
彼らには本当に期待している…これからの日本サッカーを背負ってくれるという選手だと思っています」
――最も頭を悩ませたポジションやポイントは?
「最初の会見で話しましたけど、代表を選ぶなかでやはり過去の経験値ですとか実績はもちろんあります。
現状、コンディションによってなかなか出られない選手。ただ過去の力を持って、将来そういう可能性を感じる選手たちに関しても基準として考えたいと思います。
そして現状非常に飛躍している選手もいますし、これから将来的に伸びてくるであろう選手たちの見方はあると思いますし。
そういうなかでどう判断していくか。19日の開幕に各要素を含めてトップのパフォーマンスを持ってくれると思う選手を常に考えて選手を見てきました」
――この23人で、日本代表としてどんなサッカーを志していきたい?
「そういう絵をたくさん描きたいなと思います。
積み上げてきた素晴らしいストロングポイントもありますし、そういうところを活かした代表でありたいですし。また違う対応をした、変化を持たせたチームでそういうサッカーを披露したいと思いますし。
いろいろこれから変化していくと思いますし、僅かですけども各チームに対応できる、ベストなゲームができる代表チームを結束して全員で作り上げていきたいなと思っています」
――本大会での具体的な目標は?
「日本チームらしい、サムライブルーらしい、日本のサッカーをやりたいというその大きな目標を今強く持っていて。
具体的に数字でということであれば、1試合1試合ポイント(勝点)を取って、グループステージを抜けたいなと。
そういう数字が残せれば、日本のサッカーはある程度表現、披露できるんじゃないかと思っています」