加藤氏の「3人以上産み育てて」発言に肯定的意見 「人口減少を踏まえた」と自民県連女性局役員ら

 自民党・長崎県連女性局の定例役員会が31日、長崎市内であり、結婚披露宴出席時に「3人以上産み育てて」と呼び掛けていると明かした加藤寛治衆院議員=長崎2区=の発言に関して意見を交わした。出席者は人口減少を踏まえた発言だとして理解を示し、批判はほとんどなかったという。
 会合は非公開。出席者によると、長崎県連会長である加藤氏の発言について「良いことを言った」「人口減少(が進む現状)を考えれば子どもを産んでほしい」などと肯定的な意見が出た。
 加藤氏の発言を受け、自民党の江真奈美県議は先月、共産党の女性県議らと抗議の会見をし「結婚・出産は個人の自由。自民党の議員もいま一度考えて」と訴えた。
 江県議は同日の会合を欠席し、会見した思いを文書で説明。「会長個人を批判したいわけではなく不妊に悩む人がいることも踏まえ、議員として発言した」との趣旨で理解を求めたという。ただ、出席者からは「共産と一緒に会見することはどうなのか」「会見前に会派長ら他の議員に相談しなかったのか」などの声が上がった。
 一連の発言を巡っては、共産党県議と会見した江県議を当時の長崎県連幹事長が口頭で注意した一方、発言を撤回した加藤氏が自民党長崎県連定期大会で「全国から賛同、激励も多数寄せられた」などと述べたことに波紋が広がっている。
 会合に出席した女性党員は「すぐに憤慨するのではなく、発言した相手の立場に立った気持ちになれば丸く進むのでは」と話している。

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