愛知製鋼刈谷工場内、国の登録有形文化財〝トヨタのルーツ工場〟公開

 愛知製鋼(社長・藤岡高広氏)のステンレス形鋼生産拠点「刈谷工場」(愛知県刈谷市)敷地内にあるトヨタ自動車のルーツ「旧試作工場」が、国の登録有形文化財に登録され7月18日から一般公開されるのを前に、31日に報道陣に公開した。

 旧試作工場は、愛知製鋼が豊田自動織機製作所(当時)の製鋼部(のちに豊田製鋼)だった1934年に建設。木造平屋建てで、東棟、西棟の2棟からなり、建築面積は1700平方メートル。

 翌年、トヨタの前身である「豊田自動織機製作所自動車部」が、創業者である豊田喜一郎氏を中心にトヨタ車のルーツとなる「A1型試作乗用車」の第1号を生産した。その後、AA型乗用車として販売された。

 同工場は当初、耐震性能などの問題で取り壊しも検討されたが、トヨタ創業の原点として保存されることに決まっていた。トヨタ産業技術記念館の分館(トヨタ創業期試作工場)として一般公開する。

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