いよいよ今月開幕するFIFAワールドカップ・ロシア大会。
4年に一度のサッカーの祭典。そこで楽しみなものの一つに、各国の代表チームが使用するユニフォームがある。
今大会も様々なユニフォームが揃っているが、Qolyでは大会を前に、過去のワールドカップを彩った「かっこいいユニフォーム」を取り上げることにした。
選出者は、日本のユニフォーム好きならおそらく誰もが一度はお世話になったであろうサッカーユニフォームサイト『Football Shirts Voltage.com(サッカー各国代表&クラブユニフォーム)』を運営する小野有紀(yuukiono99)氏。
Qolyにも多大な影響をもたらした氏に、ワールドカップ大会別のベスト5ユニフォームを選んでもらった。
記念すべき第1回は、1994年のアメリカ大会!
懐かしのユニフォームを見ながら、2週間後に迫ったワールドカップへの気持ちを高めていってもらえれば幸いである。
5位 イタリア代表(DIADORA アウェイ)
後にKappaのピチユニや、PUMAニール・バレットモデルなどで一世を風靡するイタリア代表。アメリカ大会時はDIADORAを着用していたが、当時のイタリア協会の方針で試合着用モデルにはメーカーロゴを掲出できなかった。
身頃に施された協会エンブレムのジャガード織りや、襟に配された国旗の3色の三角形のモチーフがデザインポイントであり、またこの大会から背中に選手名が入れられ、10番バッジョモデルはコレクターの垂涎の的となった。
注目すべきは、決勝トーナメント1回戦ナイジェリア戦。当時多くの国がアウェイモデルでは白×ナショナルカラー×白を着用していた中、全身白のコーディネイトは目に新鮮に映った。
4位 ナイジェリア代表(adidas アウェイ)
adidasも当時はこんなデザインをしていたんだ、と言えるほどの驚きのグラフィック。アフリカの民族紋様を全身に散りばめている。
世界デビューとなったグループリーグ初戦で、ストイチコフ率いるブルガリアを相手に先制弾を豪快にプッシュし、ゴールネットをつかんで雄叫びを上げるイエキニの姿は、あまりにも有名である。
ナイジェリア代表はこの大会では、満身創痍のロベルト・バッジョの前にベスト16敗退を余儀なくされたが、それからわずか2年後、同じアメリカでのアトランタ五輪では世界を制する事となるのだ。
3位 ドイツ代表(adidas ホーム)
初めて北米大陸で行われたこの大会では、多くの試合がヨーロッパのゴールデンタイムに合わせて日中に行われた。
準々決勝までの全試合で着用されたドイツ代表のホームモデルに彩られた赤黒黄のグラフィックは、高く明るい陽射しの下で鮮やかに映えた。
この大会以降adidasをはじめ多くのメーカーが共通フォーマットに各国・各クラブのカラーをはめていく手法を取っていくが、このモデルもまた数多くの代表・クラブチームに採用される事となる。
2位 アメリカ代表(adidas アウェイ)
各国代表ユニフォーム史の中でも有名な、ホスト国アメリカ代表モデル。ホーム&アウェイ合わせて星条旗になるというユニークなデザイン。なんとこのアイデアもadidasのものである。
星モデルとストライプモデル、どちらをホームとするかの議論もあり、グループリーグ全試合でホスト国が着用した星モデルこそホームという声もある。
どちらにせよ優勝候補コロンビアを敗退に追い込んだロサンゼルスで歓喜を上げ、その後アメリカでのサッカー人気に繋がったエポックメイキングなモデルである。
1位 モロッコ代表(lotto ホーム)
グループリーグ敗退と成績はパッとしなかったが、1位にはこのモデルを推したい。
前身頃のシャドーストライプとグラーデーション、胸に配置されたゼッケンなど、後のトレンドがいち早く取り入れられており、センス溢れるデザインとなっている。
モロッコ代表はこのアメリカW杯予選ではadidasの練習着のようなモデルを着用しており、予選終了後にサプライヤー変更をしたlottoからこの本大会用モデルを受けた時は、本当にテンションが上がったのではないだろうか。
今回のロシアW杯を前にモロッコ協会は「複製禁止の為、ニューモデルはギリギリまで発表しない」とし、32チームの中で最後の正式リリースとなった。逆を言えば、国民の代表愛が高いとも言えるのかもしれない。
メーカーシェア
1994アメリカW杯出場24ヶ国のメーカーシェア
adidas(10)
ドイツ・スペイン・ルーマニア・スウェーデン・ルーマニア・スウェーデン・ブルガリア・アイルランド・ノルウェー・アルゼンチン・ナイジェリア・アメリカ
UMBRO(4)
ブラジル・コロンビア・ボリビア・メキシコ
lotto(3)
オランダ・スイス・モロッコ
DIADORA(3)
イタリア・ベルギー・ギリシャ
Reebok(1)
ロシア
RAPIDO(1)
韓国
Mitre(1)
カメルーン
Shamel(1)
サウジアラビア
※第2回の1998年フランスW杯編は、6月3日に公開!