旧優生保護法下で不妊手術 県内男女も国賠提訴へ

 旧優生保護法下で不妊手術を強制されたとして、県内在住の男性(73)と70代の女性が国に損害賠償を求め、熊本地裁に提訴する意向を固めたことが1日、分かった。全国でこれまでに4人が同様の訴訟を起こしており、県内では初めて。身体障害者手帳を持つ男性は「国は障害のある人に子孫を残させない誤った法律を作った。謝罪してほしい」と話している。

 男性は幼い頃に変形性関節症を患い、10歳から11歳のころ、県内の病院で睾丸を摘出する手術を受けた。思春期にほかの同級生らとの違いに気付き、親に尋ねて手術を受けたことを知ったが、詳しい理由や経緯の説明は聞かされなかったという。手術を受けた病院は既にないという。

 男性は、不妊手術を強制されたのは憲法違反として賠償を求める方針。今年1月には宮城県の女性が、5月17日には同県と北海道、東京都の男女3人が仙台、札幌、東京の各地裁に同様の訴訟を起こしている。

 5月27日には40都道府県の約180人の弁護士が全国被害弁護団を結成。近く一斉に3次提訴を目指しており、熊本の2人の提訴もこれに合わせる方向で請求額などを検討中だ。

 全国被害弁護団に参加する松村尚美弁護士=熊本市=は「県や男性が居住していた自治体に資料開示を求めるなど、証拠収集を急ぎたい」としている。

 県は今年3月、同法下で県内で1951~76年に246人が不妊手術を受けたと明らかにした。その後の全庁調査では、個人名などを記した詳細な資料は見つからなかった。(山口尚久)

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