DeNA東がリードも…阪神植田ら野手が猛追!? ここまでのセ新人王レース

DeNA・東克樹【写真:荒川祐史】

開幕から2か月が経過、新人王有資格者の成績は…

 プロ野球開幕から2か月。セ・リーグでもそろそろ新人王争いの有力馬が見えてきた。新人王有資格者の序盤の成績を見ていこう。

 新人王有資格者は、海外のプロリーグでプレー実績がなく、支配下選手に初めて登録されてから5年以内で、投手は前年までの1軍での登板イニング数が30イニング以内、打者は前年までの1軍での打席数が60打席以内の選手だ。

 セの新人王有資格投手の一軍成績。投球回数順。

東克樹(De)9試4勝2敗0S0H 61回 防御率2.07
高橋遥人(神)5試2勝2敗0S0H 30回 防御率3.30
京山将弥(De)6試4勝1敗0S0H 27回2/3 防御率5.53
中尾輝(ヤ)23試4勝1敗0S4H 24回2/3 防御率2.55
アドゥワ誠(広)20試1勝0敗0S3H 24回 防御率3.00
鈴木博志(中)23試3勝2敗0S9H 22回1/3 防御率3.63
風張蓮(ヤ)18試1勝1敗0S0H 21回2/3 防御率4.57
藤嶋健人(中)7試0勝0敗0S0H 16回1/3 防御率2.20
中川皓太(巨)9試0勝0敗1S0H 13回1/3 防御率6.75
才木浩人(神)3試1勝1敗0S0H 12回 防御率3.75
谷岡竜平(巨)8試1勝1敗0S0H 11回1/3 防御率4.76
平良拳太郎(De)2試1勝1敗0S0H 10回 防御率3.60
篠原慎平(巨)7試0勝0敗0S0H 10回 防御率6.30
尾仲祐哉(神)5試0勝0敗0S0H 6回 防御率0.00
鍬原拓也(巨)1試0勝1敗0S0H 5回 防御率5.40
藤井皓哉(広)3試0勝0敗0S0H 5回 防御率1.80
高橋昂也(広)1試0勝0敗0S0H 4回 防御率11.25
谷川昌希(神)1試0勝1敗0S0H 4回 防御率6.75
長井良太(広)4試0勝0敗0S0H 3回1/3 防御率13.50
山本翔也(神)1試0勝0敗0S0H 3回 防御率15.00
梅野雄吾(ヤ)3試0勝1敗0S0H 2回1/2 防御率42.43
沼田拓巳(ヤ)1試0勝0敗0S0H 1回 防御率9.00
木下雄介(中)1試0勝0敗0S0H1回 防御率0.00

 DeNAはドラ1東克樹と2016年ドラ4京山将弥を開幕から先発に起用。東はチーム最多の61回を投げ4勝と主力級の活躍だが、京山は4月25日の広島戦で1回2/3を自責点7と炎上。2軍落ちした。5月6日に再昇格したが2試合9回で自責点8と結果を出せていない。

 阪神のドラ2高橋遥人は、キャンプ中に金本知憲監督に見いだされ、4月11日の広島戦でプロ初先発、7回無失点の好投。以後、ローテの谷間での先発起用が続いているが、まだ好不調の波が激しく、首脳陣の信頼を得るには至っていない。

 救援投手では、ヤクルトの2016年ドラ4の左腕・中尾輝の登板機会が増えている。24回2/3で17四球と荒れ球だが、それだけに的がしぼりにくいようだ。

 広島のアドゥワ誠は、ナイジェリア人の父と日本人の母を持つハーフ。2016年のドラ5で、196センチの長身から投げ下ろす速球が売り。今季、1軍に初昇格し、中継ぎ投手としてすでに3ホールドをマークしている。

打者は…

 打者。打席数順。

吉川尚輝(巨)50試187打数44安1本11点6盗 打率.235
神里和毅(De)41試119打数30安2本6点11盗 打率.252
植田海(神)37試92打数24安0本0点11盗 打率.261
廣岡大志(ヤ)29試84打数18安1本9点0盗 打率.214
大城卓三(巨)29試60打数17安2本8点0盗 打率.283
宮本秀明(De)21試25打数4安2本2点4盗 打率.160
田中俊太(巨)27試20打数3安0本0点0盗 打率.150
楠本泰史(De)11試13打数0安0本0点2盗 打率.000
佐野恵太(De)14試17打数2安1本2点0盗 打率.118
古賀優大(ヤ)7試13打数1安0本1点0盗 打率.077
坂倉将吾(広)8試8打数1安0本1点0盗 打率.125
大村孟(ヤ)7試6打数1安0本0点0盗 打率.167
若林晃弘(巨)6試6打数0安0本0点0盗 打率.000
長坂拳弥(神)5試5打数1安0本0点0盗 打率.200
松本直樹(ヤ)3試5打数0安0本0点0盗 打率.000
熊谷敬宥(神)4試1打数1安0本0点1盗 打率1.000
山本祐大(De)1試0打数0安0本0点0盗 打率.000
島田海吏(神)1試0打数0安0本0点0盗 打率.000

 2016年ドラ1の吉川尚輝が開幕から二塁手に起用されている。当初は2番に固定されていたが、最近は8番での起用が多い。打率は物足りないが、二塁守備では守備範囲が広く、安定感もある。

 DeNAは、野手でも思い切って新人を起用。ドラ2の神里和毅を開幕から「1番・中堅」で起用、4月12日の巨人戦では初回先頭打者プロ入り初本塁打。しかし、4月中旬以降、やや打撃が失速し、5月からの梶谷隆幸の復帰に伴い、スタメン落ちするケースも増えている。

 俊足好守で売り出したのが阪神の2014年ドラ5の植田海。4月29日の広島戦で「2番・遊撃手」でスタメン起用され、5月22日のヤクルト戦からは1番に固定される。盗塁数はリーグ3位タイの11、久々の「虎のスピードスターの登場」となるかもしれない。

 巨人ではドラ3の大城卓三が、2番手捕手として起用され、正捕手・小林誠司の地位を脅かしている。最近はスタメンマスクをかぶることも多くなり、勝負強い打撃を披露している。

 セ・リーグは投手ではDeNA東がややリードしているが、ここへきて阪神植田、巨人大城など野手の活躍が目立つ。まだまだ予断を許さないだろう。

(Full-Count編集部)

© 株式会社Creative2