最後のプレーで一触即発も…「汚いスライディングではなかった」
エンゼルスの大谷翔平投手が「5番・DH」で出場し、3打数1安打1四球の活躍で6-0の勝利に貢献した1日(日本時間2日)の本拠地レンジャーズ戦。終了直後に、球場が一時騒然となる乱闘騒ぎがあった。ただ、“当事者”であるレンジャーズのルーグネッド・オドル内野手は「クリーンなスライディングだ」と主張したとテキサスの地元紙「スターテレグラム」が伝えている。
この試合最後のプレーは、ロナルド・グスマンのニゴロ併殺打。しかし、ここで併殺崩しを狙った一塁走者オドルの足が、遊撃の名手アンドレルトン・シモンズの左脛と接触した。メジャーリーグでは、2016年からあからさまな併殺崩しのスライディングは禁止されており、6-0と点差も開いていたこともあって、シモンズは怒りをあらわにした。
すると、オドルも応戦。両チームの選手がダグアウトから飛び出し、一触即発の雰囲気となった。大谷も初の乱闘騒ぎに最後尾で“参戦”。乱闘には発展しなかったものの、試合は後味の悪い終わり方となった。
ただ、試合後のオドルは悪びれる様子はなかったという。「スターテレグラム」は「オドルは弁解『汚いスライディングではなかった』」とのタイトルで記事を掲載。「キンズラーが仲介役になった形だが、シモンズがオドルを押したことで、ベンチ総出の状況となった」として、オドルの主張を紹介している。
「彼は怒っていたけど、僕は『何のことを言っているんだよ?』という感じ」
「彼(シモンズ)が僕を押してきたんだ。自分は問題ないスライディングをしたわけだから、驚いたよ。汚いスライディングではなかった。ダブルプレーを、良いスライディングで、崩そうとした。だから彼が僕をあんな風に押してきて驚いたわけだ」
気性が荒いことでも知られるベネズエラ出身の24歳は、こう振り返ったという。「彼は怒っていたけど、僕は『何のことを言っているんだよ?』という感じだった。良いスライディングをした、卑怯なものではない。キンズラーが話しかけてきたけど、彼も気にはしてなかった。あのようなことも野球の一部だよ」とも言及。さらに、「良いスライディングだったし、クリーンなスライディングだ。彼は(スライディングが)高かったと言ってきたけど、良いスライディングだった。テレビでも見たけど、クリーンだ」と、映像で見ても問題なかったと話したという。
記事によると、レンジャーズのジェフ・バニスター監督もスライディングはクリーンだったとしており、その理由として「手がベースに届く距離内」だったことを挙げている。
一方で、エンゼルスのマイク・ソーシア監督は「オドルのプレーはハードだったと思う。彼も我々の選手達同様に懸命にプレーしているわけだが。あのスライディングはちょっと方向が逸れたものだったと思う」と指摘。“削られる“形となった名手シモンズは「あれは決していいものではなかった。まぁいいさ」と話し、オドルがクリーンなスライディングだったと主張したことについては「そうなんじゃないかな」と呆れ気味だった。
同じア・リーグ西地区に所属する両チームは今季まだまだ対戦を残しているが、今後へ向けて不安を残す幕切れとなった。
(細野能功 / Yoshinori Hosono)