対馬にクロツラヘラサギ飛来 絶滅危惧の旅鳥

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 世界的に絶滅が危惧されているトキ科のクロツラヘラサギ3羽が、長崎県対馬市上県町佐護の水田地帯に飛来した。同町在住の野生動物写真家、川口誠さん(44)が1日、長いくちばしで採食する様子を撮影した。
 3羽は黒いしゃもじのようなくちばしを左右に振り、オタマジャクシとみられる餌を探してついばんだ。5月30日に九州本土から飛来したとみられる。
 「対馬の鳥と自然」(川口さんら編著)や日本野鳥の会などによると、クロツラヘラサギは全長75センチ程度。環境省レッドデータブックでは近い将来、野生で絶滅の危険性が高いとされる絶滅危惧IB類に分類される旅鳥。
 繁殖期は4月中旬~7月中旬。繁殖地は朝鮮半島西岸などの一部で、九州のほか、台湾などで越冬し、対馬はその中継地点。個体数は全世界で約3900羽で、国内では今年約500羽の越冬が確認されている。
 川口さんは「対馬でも年に1回見られるかどうかの貴重な場面で見ていて飽きなかった」と話している。
 2日現在、水田に姿はなく、朝鮮半島方面に飛び去ったとみられる。

水田の中で、大きなくちばしを使い餌を探すクロツラヘラサギ(左)と、アオサギ=対馬市上県町佐護(川口誠さん撮影)