反ヘイト抗議で講演会中止 川崎

【時代の正体取材班=石橋 学】人種差別の扇動を繰り返し、川崎市のヘイトスピーチ対策の阻止を公言する極右活動家、瀬戸弘幸氏らが同市内で計画した講演会が3日、市民らの抗議によって中止に追い込まれた。市教育文化会館(川崎区)周辺には約300人が集まり、参加者を足止めにした。瀬戸氏は登壇予定の弁護士が会場に入れないことを理由に中止を決めた。

 会場入りしようとする参加者を一人一人、市民が取り囲んだ。いずれも在日コリアンの虐殺をうたい、同市川崎区桜本の住宅街を標的にした「日本浄化デモ」など、市内外で行われてきたヘイトデモの常連参加者たち。地域住民や市内外から集まったカウンター市民らは「レイシスト(人種差別主義者)、帰れ」と抗議の声を上げ、館の入り口から遠ざけた。

 瀬戸氏らは午前中から会場入りしていたが、メインの登壇者で、「在日特権を許さない市民の会」(在特会)メンバーらが起こした事件の代理人を務めてきた徳永信一弁護士も足止めに。入館を諦めると、瀬戸氏はすでに集まっていた約30人の参加者に「延期する」と告げた。

ヘイト集会の参加者に対し、「帰れ」とコールするヘイトスピーチに抗議する市民ら=川崎市川崎区の市教育文化会館前

© 株式会社神奈川新聞社