志半ば…戦没画学生の作品並ぶ 「無言館 祈りの絵」開幕 6月8日まで県美術館

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 戦争で亡くなった画学生の絵画などを集めた展覧会「無言館 祈りの絵」(長崎県美術館など主催、長崎新聞社共催)が3日、長崎市出島町の同館企画展示室で始まった。絵を描き続けたいと願いながら、志半ばで命を落とした若き画学生たち。会場には、家族や妻、恋人の肖像、古里の風景など、生前、日常をいとおしむように描いた作品が並んでいる。
 長野県上田市の戦没画学生慰霊美術館「無言館」(窪島誠一郎館主)が所蔵する約700点の中から、絵画、彫刻の144点と、戦地から家族に宛てた手紙やはがき、写真などを展示。
 初日は、関係者らがテープカットで開会を祝った後、内覧会と講演会があった。美術を学ぶ中学、高校生ら多くの来場者があり、真剣な表情で作品に見入っていた。
 講演会は、窪島館主が「無言館のこと ~戦没画学生からの伝言」と題し、同館設立の経緯や作品をめぐるエピソードを紹介。「絵の中には、大好きな人を見詰め、描いた時間が生きている。生きるとは何か、戦後をどう生きてきたか、彼らの絵は無言の問いを発していると思う。必死に生きていた人たちの絵が並んでいる。そう思って見てほしい」と語った。約200人が聴講した。
 長崎市立長崎中3年の武藤羽菜(はな)さん(14)は「今と違って厳しい時代を生きてきた人たちなので、強い心が絵から感じられた」、同市矢の平2丁目の大串秀人さん(67)は「これらの絵を描いたのは、自分の親世代の人たち。親たちの世代の青春がどうだったのかと、自分に置き換えて考えたりした」とそれぞれ感想を話した。
 同展は7月8日まで(6月11日、25日休館)。観覧料は一般千円、大学生・70歳以上800円、高校生以下無料。

愛する家族、妻、恋人や古里の風景などを描いた戦没画学生の作品に見入る来館者=県美術館