新日鉄住金、資機材調達先と連携強化 製造実力向上へ目標共有、取引先集め全国でミーティング

 新日鉄住金は、製鉄所など国内の生産拠点で使う資機材の調達先企業との連携を強化する。コスト競争力の高い取引先と継続的な関係を築くことで、製造実力を高める狙い。この一環として、今年度から全国に散らばる取引先とのミーティングを始めた。新日鉄住金の購買方針を理解してもらうとともに、取引先からの改善提案などを促し、製造実力向上に役立てる。

 新日鉄住金は2012年10月の発足以降、資機材調達ですべての企業に門戸を開放。併せて本社集中購買と統合購買システムの導入を進めてきた。集中購買は今年4月までに購入額の90%強を達成。仕様統合やコスト削減といった成果を出している。

 今年度から新しい中期経営計画がスタートしたのを機に、取引先との連携を一段と強化する。この一環として、「パートナーズミーティング」と銘打った取引先との会合を開催することにした。既に東京、福岡で計6回開催。今月には大阪でも開く予定で、計8回の会合に約1300の取引先が参加する。

 会合では新日鉄住金の購買基本方針や中期経営計画の概要などを説明する。基本方針では持続可能な開発目標(SDGs)を購買サプライチェーン(SC)全体で達成する方針を提示。会合に参加した取引先に協力を要請する。

 新日鉄住金の資機材取引先は国内で約9千社あり、年間の取引額は約6千億円に上る。取引先からは仕様統合やコスト低減につながる改善提案が数多く寄せられており、製造実力や生産性の向上に貢献している。取引先との連携をさらに強化することで、競争力を一段と磨く。

 パートナーズミーティングは中計の策定に合わせ3年ごとに開催。このほか統合購買システムを活用して、取引先の声を聞く「パートナーズアンケート」を実施する。

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