「トゥーロン2018、日本対カナダで印象的だった3人」

トゥーロン国際大会2018、グループリーグ第三戦。

準決勝進出の可能性を残していたU-21日本代表は、U-21カナダ代表相手に一歩及ばず、1-1で引き分け…。

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残念ながら上位進出は叶わず、トーゴとの7位決定戦に回ることとなったが、この試合において特に印象的であった選手を三人に絞り紹介したいと思う。

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三苫薫

ポルトガル戦でも試合途中から出場して好印象を残した三苫だが、この試合では結果という具体的な成果もあげた。

65分、自陣から放り込まれたボールに対して、カナダ守備陣が処理に苦戦すると、その隙を突いてしっかりボールをキープ。そのままキックフェイントでDF陣をかわすと、GKのタイミングもずらして冷静に右隅を射抜いてみせた。

相手に囲まれても精度が落ちない技術の高さと決定機における落ち着きは、このワンシーンでその才能の高さを感じさせるものであったが、攻撃にリズムを与えるだけではなく、自らもゴールを奪える個性は特筆に値する。

また、オフザボールにおいても、スペースに侵入する動き、攻から守へのネガティブトランジションなど、地味ながらも貢献度の高いプレーを行っていた点も忘れてはならないだろう。

初瀬亮

この試合において、失点シーンのきっかけとなったパスミスを発生させてしまった張本人であり、終盤戦には決定機を逸するなど悔いの残るプレーは目立ったが、それと同時に「可能性」も見せた。

利き足は右足であるが、中村俊輔に憧れて左足も磨き、今や「両利き」は彼のトレードマーク。

トップスピード時のコントロールや判断力には課題が見えるが、その両足から繰り出されるキック精度については、Jリーグにおいてもトップクラスであり、今大会でもセットプレー時にその希少価値を見せ付けた。

三浦知良、小野伸二など、状況に応じてセットプレーで用いる足を使い分ける選手はこれまでの日本代表も存在したが、このような特異性を持ったプレーヤーは間違いなくチームに戦術の幅を広げるもの。

前監督ヴァイッド・ハリルホジッチからA代表に声が掛かった際には大きな驚きがあったが、課題であった守備能力、押し込まれても前に上がるための力強さなど、短所も改善されてきており、総合能力は着実に上がってきている。

上田綺世

グループリーグ三試合に先発出場し、他との「違い」を随所で披露してくれている三好康児も捨て難いが、今回はあえて上田綺世にしたいと思う。

それは、ポルトガル戦で二得点を奪い一躍ヒーローとなった彼が、このカナダ戦では「ゴールを奪う」という以外の面でも光るものを見せていたためだ。

この試合で唯一のゴールを奪ったのは三苫薫であったが、そのシーンで相手守備陣にプレッシャーを与えていたのが上田であった。

得点機の基点となったロングボールを呼び込む動きを仕掛けたのも、相手DF陣にストレスを感じさせるポジショニングを取っていたのも上田であったことは忘れてはならない。

また、このシーン以外でもヘディングでの落としから味方にシュート機会を提供、裏に抜け出す動きでバイタルエリアにスペースを生み出すなど、持ち前のゴール能力以外でも評価に値するプレーを見せていた。

この年代では小川航基がFWの核としてチームを牽引してきたが、その序列も近いうちに変わるかもしれない。


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