ピンチで際立つ存在感 ロッテ松永が語る、厳しい場面で抑える極意

ロッテ・松永昂大【写真提供:千葉ロッテマリーンズ】

今季登板19試合のうち13試合が走者を背負った場面で登場

「前に投げた投手のランナーなので、走者を返したくないという気持ちが強い」

 ロッテの松永昂大投手は今季、ここまで19試合に登板しているが、そのうち13試合で走者を背負った場面にマウンドへ上がっている。

「途中から行った場合は、ほぼ点に絡む。2日の広島戦は、たまたまランナー一塁から行きましたけど、基本は(イニングの)途中から行く人はピンチの場面で行くので、ヒットを打たれた瞬間に得点されたりすることがある。頭から行った方が気持ち的には楽ですね」

 4月8日の道日本ハム戦では2?2の7回1死満塁の場面で登場し、近藤健介をインコースのスライダーで見逃し三振、続く中田翔を遊ゴロに仕留め、ピンチを脱した。その2日後の4月10日の西武戦では2-1と1点リードの7回2死二塁から先発・石川歩の後を受けてマウンドに上がり、秋山翔吾を見逃し三振に斬った。

 5月29日に始まった「日本生命セ・パ交流戦2018」でも5試合に登板しているが、そのうち4度がランナーのいる状況でのマウンドだ。

イニング跨ぎでの登板のコツは…「僕は1回スイッチを切っています」

 イニング途中のしんどい場面で登板する機会がが多い松永は「(ランナーがいる場面は)1球目にストライクを取ることと、ランナーを返さないことですね」と、この2つを頭に入れてマウンドに上がる。

「相手バッターを探る意味では、ボールよりもストライクで入った方がいいかなと思います」と、初球にストライクを狙う意図を説明。だが、ストライクを投げれば捉えられる可能性も高まるため、「初球を打たれるのももったいないので、そこは難しいです」と打者との絶妙な駆け引きが求められる。

 時にピンチを凌いだ後、イニングまたぎでマウンドを任されることもある。6月1日の広島戦では、4-6の8回2死満塁から登板し、松山竜平を捕ゴロに打ち取った後、続く9回もマウンドに上がり打者3人を無失点に抑えた。

 走者を背負った状況でマウンドに上がり、そのピンチを切り抜けた後、もう1イニング投げることは精神的にも肉体的にも厳しいはず。だが、松永は「僕は1回スイッチを切っています」とベンチに戻って気持ちを切り替え、次のイニングに向けて準備。そこは「中継ぎなので、オンとオフはすぐに入れ替えられる」と頼もしい。

 絶対に失点を許したくない局面を、しっかりと「0」に抑えベンチに戻る松永。チームを勝利に導く上で、欠かせない大事な存在だ。

(「パ・リーグ インサイト」編集部)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)

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