新潟地区薄板コイルセンター、1Q内もう一段上伸目指す 物流費上昇、理解浸透にも注力

 新潟地区の薄板マーケットは地場コイルセンターが値上げ転嫁を完遂すべく現在強含みで推移しており、冷暖房、建築金物、産業機械などの堅調な需要を背景に新年度1Q(4~6月)内にもう1段の値上げ転嫁を目指す。加えて人手不足、法令改正などを背景にした物流費上昇の転嫁にも着手し始めている。

 薄板市況は原料、副資材などの上昇で値上げを段階的に転嫁してきた。

 コイルセンターとしても要求品質対応、物流、梱包資材費などの諸コストを担保し、サービスの維持・向上のため需要家に対し、個別に価格交渉を行っている。

 ここまでメーカー素材値上げ分の転嫁を最優先に取り組んできたが、人材難に起因する物流費の上昇は待ったなしの状況だ。国交省は2017年11月から標準貨物運送約款を改正し、運用をスタートし、物流会社各社がルールに則った変更を行っている。

 主な改正点は荷待ちに対する待機時間料の対価、横持ち、棚入れ、ラベル貼り等附帯業務料の設定など。従前どおりの待機時間では確実に荷主側のコストアップが予想されることから、一部のコイルセンター筋では自助努力の範囲内でコストを適正範囲に収めようとする、システム改革に取り組み始めている。荷卸しや積み込みの際のミスやドライバーの精神的負担の軽減にも寄与できる。

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