【MLB】大谷の“壁”となる強打者、球宴ファン投票に“弱音”!?「みんな僕を知らない…」

レッドソックスのJ・D・マルティネス【写真:Getty Images】

DH部門の最有力候補は本塁打&打点トップのマルティネスだが…

 今季のMLBオールスターゲームは7月16日(日本時間17日)にワシントンで行われる。両リーグのスタメン野手を決めるファン投票はすでにスタートしているが、DHで候補にノミネートされたエンゼルスの大谷翔平投手の最大のライバルは選出に“弱音”を吐いている。ボストンの地元ラジオ局「WEEI」が報じている。

 ア・リーグのDH部門で選出が有力視されているのはレッドソックスのJ・D・マルティネス外野手だ。ダイヤモンドバックスからFAとなり、5年総額1億1000万ドル(約121億円)のメガディールで加入したスラッガーは、打率.315、いずれもリーグトップの20本塁打、52打点と大活躍している。

 もっとも、本来は外野手のマルティネスは、ノミネートの枠には“不満”を露わにしている。

「DHでのノミネート? これが残念な部分だよ。いつも彼らは自分のことをDHだと言ってきた。今回もDH。それについては自分ではどうすることもできない。彼らが自分に”こういう選手”というようなラベルを張りたいだけのことだから。自分の思いもあるけれど、本音を喋りたくはないからね」

 オールスター出場を巡る競争は熾烈だが、ライバルは強力だ。記事では「数々の選手の中で、レッドソックスのスターはファン投票で立ち向かうことになるのは、エンゼルスのショウヘイ・オオタニとニューヨークのジャンカルロ・スタントンだ」と分析。二刀流のスーパースターと昨季マーリンズでナ・リーグMVPに輝いたスラッガーを対抗馬に挙げている。

 そして、東の人気球団で活躍するマルティネスだが、不安要素があるという。

「選出されないことは別に不満ではないよ。不満なのは、特定の人たちから認められていないという点なんだ。選手たちは僕を知っている。野球をよく見ている(詳しい)人たちも僕のことをわかっている。だけど、野球を知らない人たちは、僕のことを知らないんだ。それが結果に関わってしまっている。パフォーマンスよりも人気者コンテストになってしまっているんだ」

「選手こそが投票すべきだ。誰が本当の”オールスター”なのかがわかる方法」

 二刀流でメジャーを沸かせる大谷の活躍は全米のニュースでも取り上げられる。本拠地エンゼルスタジアムにファンを呼ぶ地名度はすでにトップクラスだ。スタントンも元々、怪力の強打者として知られていたが、超人気球団のヤンキース移籍で一気に知名度を高めた。

 ファンがオールスターで見たいのは華麗なスーパースター。マルティネスはメジャーファン以外にとっての自分の知名度の低さを認識していた。

「自分が選出された、たった一度は、選手投票によるものだった。選手こそが投票すべきだ。100%そうだ。誰が本当の”オールスター”なのかがわかる方法だよ。ファンは知らないんだ。彼らは理解していると思いたいだろうけどね。MLBが見せびらかすものや、インスタグラムやツイッターに掲載される選手のことしかファンは知らないんだ。話題になっている選手だけってことさ。彼らは特定の選手をプッシュしている。活躍しているのに見落とされてしまっている選手にとっては、残念なことだね。だから選手が選ぶべきと常に主張しているんだ。MLB側の事情もわかっている。彼らはファンに(選ぶプロセスに)加わってもらいたいからね」

 米メディアでも露出の多い大谷、そして超名門球団に移籍したスタントンらライバルの知名度の高さを知るマルティネスは、選手投票へのシステム変更も願っているという。話題性のある大谷、さらにスタントンを差し置いて、好調レッドソックスを牽引する男は人生2度目の球宴の舞台に立てるのだろうか。

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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