米国政府と鉄鋼輸入を規制する「通商拡大法232条」の適用除外で合意したブラジルとアルゼンチンの対米数量枠(クオータ制)が明らかになった。
ブラジルは最大の焦点となっていたスラブなど半製品で年間350万6千トンと従来並みの数量枠を確保した。
ただ過去3年間の平均を元にしているため、一昨年6月に稼働した韓国・東国製鋼系のペセム・スチール(CSP)はアルセロール・ミッタル・ツバロンなど他社に比べスラブの輸出実績が少なく不利とされる。最終的にはブラジル鉄鋼協会の調整次第だが、数量枠を使い切った場合は欧州やアジアへの輸出が増える可能性がある。
半製品以外では、熱延鋼板(厚板含む)が13万トン、ブリキ原板を除く冷延鋼板が5万2千トン、溶融亜鉛めっき鋼板が17万9千トン、ブリキとティンフリー・スチールが計1万4千トン、電磁鋼板が2千トン、油井管(OCTG)が5万7千トン、ラインパイプが2万1千トンとなった。
輸出実績が少なく、鉄鋼大手がテチント・グループに限られるアルゼンチンはOCTGの14万8千トンが最多。このほか、メカニカル鋼管が9千トン、ラインパイプが5千トン、熱延鋼板が3千トンとなった。