カブス・ヘイワードが2点差ひっくり返すサヨナラ満塁弾

【フィリーズ5-7xカブス】@リグリー・フィールド

3対3の同点で迎えた9回表にディラン・コゼンスのメジャー初本塁打となる1号2ランで勝ち越しに成功したフィリーズ。これだけでも十分にドラマティックな展開なのだが、それを大幅に上回る劇的なエンディングがこの試合には待っていた。2点ビハインドの9回裏、カブスはメジャーデビュー以来防御率0.00を継続していたセランソニー・ドミンゲスから一死一、三塁のチャンスを作り、フィリーズは左腕のアダム・モーガンを投入。ここでカブスはイアン・ハップが四球を選んでチャンスを広げ、二死後にジェイソン・ヘイワードが豪快な一発を右中間スタンドへ叩き込んだ。ヘイワードにとって自身初のサヨナラ本塁打となる一発は、2点差をひっくり返す3号逆転サヨナラグランドスラム。4万人を上回る観衆がつめかけたリグリー・フィールドは劇的な勝利を祝う大歓声に包まれた。

カブスのジョー・マドン監督は9回裏のベンチの様子を次のように振り返ってくれた。マドンは9回表の最後の2アウトを取ったコリー・マゾーニに「お前はメジャーの試合で勝ったことがあるのかい?」と尋ねたという。マゾーニの返答は「ノー」。ここでマドンはマゾーニに対して「今夜、君は初勝利を手にすることになるだろう」と告げた。さらに、マドンによると、アンソニー・リゾーはマドン以上の予言をしていたという。リゾーはヘイワードがサヨナラ弾を放つ数秒前、「サヨナラ満塁弾なんてどうだい?」とマゾーニに声をかけた。そして、リゾーの予言は現実のものとなり、マゾーニにはメジャー通算19登板目にして嬉しい初勝利が記録されたのだった。マドンは「これが野球なんだよ」と感慨深げに話していた。

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