【主要鉄鋼企業の18年度賞与・本紙調べ】高炉・特殊鋼ステンレス、増額相次ぐ 普通鋼電炉は業績で明暗

 主要鉄鋼企業の2018年度賞与(鉄鋼新聞社調べ)が7日までに出そろった。17年度業績の回復傾向を反映して、増額となる企業が目立った。一方で、業績回復が遅れた普通鋼電炉、鋼板単圧などは減額が目立ち、業績によって明暗が分かれる結果となった。

 調査した50社のうち、6割強に当たる32社が17年度比で増額となった。賞与額(規準ベース)が150万円を超えたのは17社で、17年度の10社から大幅に増えた。業績連動方式を採用する企業が多い中、回復傾向が著しかった17年度業績を反映した形だ。

 高炉メーカーは4社すべてが増額。いずれも業績連動方式を採用しており、増益となった17年度業績を反映して、増額幅は15万~48万円となった。JFEスチールは、賞与算定のベースとなる損益が下限を下回り別途協議で決めた17年度に対し48万円の大幅増。

 業績好調が続いた特殊鋼・ステンレス専業メーカーも増額が相次いだ。全10社のうち9社が増額。新日鉄住金ステンレス(200万円)、日立金属(169万6千円)、大同特殊鋼(175万円)など6社が150万円超だった。

 普通鋼電炉メーカーは業績回復が遅れているところが多く、業績によって増減が分かれた。調査した9社のうち増額は4社にとどまり、6社が横ばいないし減額となった。

 高炉、電炉以外の業種では業況や企業業績によって増減が分かれた。増額が目立ったのは鋼板加工、線材加工、建材加工など。これに対し鋼板単圧、鋼管は業績によって増減に違いが出た。

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