経済産業省、鉄骨・橋梁分野でタイに技術協力 専門家派遣、研修生受け入れ

 経済産業省は今年度、タイの鉄鋼・同関連業界に対し、鉄骨・橋梁分野の技術協力事業を実施する。専門家派遣などを通じ、タイ側の技術水準向上を支援する。インフラシステム輸出など日本企業の現地展開につなげる狙いもある。

 日本・タイ鉄鋼対話で、タイ工業省、タイ鉄鋼業界が日本側に協力を要請していた。経産省は、建築物や橋梁の安全性を高めることができるうえ、タイの鉄鋼需要を喚起することにもなるため、要請に応えることにした。

 1年間の協力事業として実施する。日本の専門家を現地に派遣するほか、タイから研修生を受け入れ、鋼構造に関する設計ノウハウなどを伝授する。

 タイとの鉄鋼対話は、両国の経済連携協定(EPA)発効から10年が経過したのを受け、昨年から新たな枠組みに移行した。新しい枠組みでは両国間の鉄鋼貿易に関する意見交換に加え、技術協力の可能性などについても話し合ってきた。タイ側はこの中で、鉄骨・橋梁分野の協力を日本側に要請していた。

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