シジュウカラがポストで子育て そっと見守り、無事巣立つ 松浦・福島 太田さん宅

 松浦市福島町の会社員、太田聖規さん(67)の自宅玄関前にある郵便ポストに4月下旬、野鳥のシジュウカラが巣を作った。先週末、巣立ちを迎え、「無事、成長してよかった」と太田さんは笑顔を見せる。
 長崎バイオパークによると、シジュウカラは翼を広げた長さが約20センチでスズメと同じくらいの大きさ。国内では一般的な野鳥という。木の洞(うろ)などのほか、巣箱にも卵を産む。
 太田さんは4月下旬、自宅ポスト(高さ約40センチ、幅約40センチ、奥行き約20センチ)の底に、コケが敷かれていることに気付いた。「誰かのいたずらだと思い」取り除いたが、翌日も繰り返された。ポストを眺めていると、シジュウカラの親鳥の出入りを見つけた。数日後、卵があったため、太田さんは慌てて勝手口に別のポストを置いたという。
 ポスト内では少なくとも6羽が1カ月ほどを過ごした。太田さんが今月2日午前中に確認したところ1羽もいなくなっていた。
 「こんなに身近に巣を作るなんてびっくり。見守ってみるとかわいくなり、巣立ったことには寂しさもある」と話す。思わぬ家族が増えたという太田さん。いつでも“帰省”できるよう、ポストはそのままにしている。

ヒナ鳥が身を寄せ合っていた郵便ポスト内の様子
ヒナ鳥の様子を見にポストに姿を現した親鳥=松浦市福島町

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