金属行人(6月8日付)

 2018年の環境・循環型社会・生物多様性白書が今週、閣議決定された。テーマは「地域循環共生圏の創出による持続可能な地域づくり」。第五次環境基本計画で提唱した「地域循環共生圏」の創造に向けて、地域に活力をもたらす取り組みやライフスタイルの転換に向けた取り組みなどの先進事例を紹介している▼白書では、ライフサイクル全体での徹底的な資源循環を促進するため、シェアリングやリユースなど2R型ビジネスモデルの普及が循環型社会にもたらす影響の定量的な評価や、使用済みパソコンや小型二次電池の回収体制の整備なども推進するとしている▼使用済み小型電子機器などの再資源化に向けては、20年の東京オリンピック・パラリンピックのメダルを都市鉱山から製作する「みんなのメダルプロジェクト」の普及啓発と、プロジェクト終了後にも小型家電リサイクルの取り組みが普及・定着するよう働き掛ける▼日本の資源生産性や循環利用率は2000年度から大幅に改善しているが、近年は横ばい傾向にある。小型家電リサイクルの普及など資源循環の取り組みがさらに進展すると同時に、地域に新たな付加価値が生み出される取り組みが進むことを期待したい。

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